調理のあとの洗い物といえばスポンジと台所洗剤が定番ですよね。
でも鍋やフライパンにこびりついた汚れやガスコンロの油汚れなどを落とすときにタワシを使いませんか?
たわしといえば亀の子たわしが有名ですが、どうして亀の子というのでしょうか。
昔からあるたわしの歴史や亀の子たわしの由来、たわしの種類など気になったので調べてみました。
目次
たわしの誕生の歴史 いつから
たわしは1907年、西尾正左衛門(にしおしょうざえもん)が発明しました。
スリランカ産の椰子の実の繊維を一定の長さに切りそろえてから針金に挟んで捩って棒状にしたものを折り曲げ楕円形に形を整えたものです。
明治時代の中頃、西尾正左衛門はシュロを針金で編んだ靴拭きマットを発案しました。
しかし、同じような商品がイギリスで特許を取っていたため特許を取ることができませんでした。
最初の頃は売れていましたが、短期間でシュロの毛先がすり減って使い物にならないため売れなくなり多くの在庫を抱えてしまいました。
妻のやすが、障子の桟を掃除するために売れ残った靴拭きマットを切り取り、シュロを巻いてある棒を折り曲げたのを見て、たわしを思いついたそうです。
妻の手を参考にして使いやすい形状にして、原料はシュロからスリランカ産のパームに変えるなど試行錯誤を重ねて完成させました。
1908年に実用新案登録を行いましたが当時の実用新案権の存続期間は6年であったため、期限が切れる直前に特許申請を行い1915年7月2日に取得することができました。
特許を取得することはできましたが類似品が多く出回っていたため、積極的に新聞や雑誌に広告を掲載する、たわしを紙で包装するなど類似品と区別できるように工夫したそうです。
2013年にはグッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞、2018年には誕生から111年を迎えました。
現在でも変わらぬ形、品質で日本をはじめ世界各国で愛用されています。
亀の子たわしの名前の由来とは
実用新案を登録するためには商品名が必要となります。
西尾正左衛門は、たわしを完成することができましたが商品名を考えていませんでした。
商品名で悩んでいるときに、息子が水の中で泳いでいる亀がたわしに似ているといったこと、亀は長寿で縁起が良い動物で水にも縁があるということから、親しみやすく亀の子束子と名付けたそうです。
束子は漢学者に相談してあてはめたといわれています。
たわしにも種類がある 効率よい使い方は?
たわしに使われている素材には、いくつか種類があります。
また使われている素材によって使い方が変わってきますよ。
シュロたわし
シュロはヤシ科植物の皮から作り出した繊維です。
繊維の毛先が細かく、コシがあるので平面・凹凸面にフィットして汚れを掻き出すことができます。
木製のまな板や細かな凸凹についた汚れ落としに適しています。
パームたわし
パームはヤシ植物から取れる繊維です。
繊維自体が固く強度が高いので細かい汚れを掻き出す、こすり取ることができます。
ザルやゴマすり鉢、靴の汚れ落とし、ジャガイモやゴボウなど野菜の泥落としに適しています。
サイザルたわし
サイザルはリュウゼツラン科植物から取れる繊維です。
柔らかさと高い吸水性があり、なぞるように汚れを落とすことができるので、テフロン加工の調理器具やデリケートな食器、身体を洗うことに適しています。
ナイロンたわし
化学繊維を集めてシート状に固めてあります。
柔軟性が高く、使いやすくするために適当な大きさに切ることができます。
頑固な汚れや焦げを落とすことに適しています。
ステンレスたわし
金属素材で作られています。
弾力があるので、力を入れてこすっても摩耗する心配はありません。
鍋底の頑固な汚れやサビなど力を入れてこすることに適しています。
スチールウールたわし
鉄を繊維状にしてあります。
綿のように柔らかく弾力性があるので、焦げやサビを落とすことに適しています。
ただし錆びやすいため使い捨てが基本となっています。
【たわしの使い方】
水で濡らしてから汚れた部分をこすります。
汚れをこすり落としたら、必ず水で洗い流し汚れが残らないようにしましょう。
たわしの繊維についた汚れが取れない場合は使い古した歯ブラシ、または他のたわしをこすり合わせるとキレイになります。
たわしの誕生 さいごに
たわしは西尾正左衛門の妻が障子の桟を掃除するときに靴拭きマットを使ったことをヒントに発明され、今でも使われている道具です。
いろんな素材で作られているので、落としたい汚れに合ったたわしでキレイに落としてくださいね。
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