食材を切る・刻むなどに使われる包丁には、主に洋包丁・中華包丁・和包丁の3種類があります。
日本料理に使われている包丁は和包丁と呼ばれていますが、何故そう呼ばれるようになったのでしょう?
そしてこの刃物を包丁と呼ぶのはなぜなのか?知りたくなります。
名前の由来にはどんなことがあるのでしょう?
和包丁の歴史や種類なども調べてみました。
目次
和包丁の名前の由来とは?
包丁は中国の言葉で「庖丁」と書いていました。
庖は音読みでは「ほう」、訓読みでは「くりや」で意味は台所になります。
丁は音読みでは「ちょう」、訓読みでは「ひのと」で意味は働く人になります。庖丁は台所で働く人で料理人を指す言葉になります。
料理人が食材を切る時に使う刀のことを、庖丁刀と呼ぶようになりましたが、時代の流れとともに刀の部分を省くようになり庖丁と呼ぶようになったそうです。
日本では庖は常用漢字外となっているので、包を代用字として書き換えることが多いです。
包丁の歴史 日本で和包丁ができるまで
日本で包丁が使われるようになったのは奈良時代といわれています。
奈良県奈良市にある正倉院には日本最古といわれている10丁の包丁があり、日本刀のように細身で長い柄が付けられていました。
日本刀型の包丁は江戸時代中期まで魚用として使われていました。
平安時代になると朝鮮半島を経由して中国料理が伝わったことで、宮仕えの料理人たちは食材の切り口・盛り付け方の美しさを求められたため包丁の技術を磨くようになりました。
また料理人たちに様々な種類の包丁が支給されるようになったことから、食材によって包丁を使い分ける文化が誕生しました。
江戸時代中期になると肉や魚を切る料理人のことを庖丁師、野菜を切る料理人のことを割肴師(きざみさかなし)と呼ぶようになり、包丁も細かく使い分けられるようになったことで和包丁の種類は増えていきました。
和包丁の種類と特徴
和包丁と呼ばれている包丁には、どんな種類があるのでしょうか。
和包丁の種類とその特徴をまとめました。
出刃包丁(でばぼうちょう)
魚をおろす時に使う包丁で、魚のうろこ取り・骨の処理・背開きができます。
また鶏を解体する時にも使えますよ。
食材を無駄なく使うための下処理がしやすいように、刃は厚みと重みがあります。
刺身包丁(さしみぼうちょう)
骨のない魚の上身を着る・捌いてブロック状にした魚を切り分ける、または一口大に切る時に使う包丁で、柳刃包丁とも呼ばれています。
素材の組織細胞を潰さずに一気に引き切ることができるので、切り口を鮮やかに美しく仕上げることができます。
薄刃包丁(うすばぼうちょう)
野菜を切る・刻む・皮を剥く時に使う包丁で、刃が非常に薄くなっています。
菜切り包丁とも呼ばれていて関東型は切っ先が四角く、関西型は切っ先が鋭利になっているので細かい調理をする時は関西型が適しています。
相出刃包丁(あいでばぼうちょう)
出刃包丁では扱いにくい、または魚の切り身に負担がかかる時に使う包丁です。出刃包丁より細身で峰の厚さが薄いので、軽く使いやすくなっています。
身卸包丁(みおろしぼうちょう)
魚の三枚おろしや頭を割る・皮を引く・刺身を切るなど魚の身を下ろす時に使う包丁で、相出刃包丁よりも細身で峰の厚さは薄くなっています。
船行包丁(ふなゆきぼうちょう)
出刃包丁より薄く、細くした包丁で、漁師が漁の時に簡単な調理や魚を捌く・エサを刻むために使われていました。
野菜を切るにも適している万能包丁なので家庭用として使われることもあるそうです。
骨切り包丁(ほねきりぼうちょう)
片刃の重い包丁で、鱧切り包丁とも呼ばれています。
鱧は細かく硬い骨がたくさんあるので、それを切るために使います。
またアイナメなど小骨の多い魚にも使うことができます。
鰻裂き包丁(うなぎさきぼうちょう)
鰻を裂くための包丁で関東では背開き、関西では腹開きと地域によって捌き方が違うため関東型うなぎ包丁や大阪型うなぎ包丁・京型うなぎ包丁・名古屋型うなぎ包丁など様々な形状があります。
和の文化 和包丁とは さいごに
和包丁は日本刀を元に作られた日本独自の刃物で、切れ味の良さは海外でも認められているそうです。
和包丁は食材に特化したものが多いので、目的によって使い分けると効率良く調理することができます。
和包丁の特徴を理解して扱えるようになると料理の幅が広がりますね。
あなたも挑戦してみてはいかがでしょうか(^^)