当たり前に使っている「色」ということば、赤色や青色・黄色・緑色など周りには様々な色があります。
私たち人間はいつから色を認識するようになったのでしょうか?
色とはどんなものか、いつから始まったのか?
昔はそんなに多くの色はなかったような気がします。
気になる色について調べてみました。
また、日本での色の歴史などを紹介します。
色とは?色の正体
色とは、光の刺激によって目の網膜に起こる感覚の1つであるといわれています。
光が物質に当たり、その光を目で感じ脳が認識したものが、その物質の色になります。
そのため同じ物質を見ても、人によっては色が違うことがあります。
色は、光・物質・目という3つの要素で見ることができます。
● 光
日常生活にある光は、可視光線(かしこうせん)と呼ばれている電磁波の1つです。
電磁波とは、空間にある電場と磁場の変化によって生じる波のことで、主にスマートフォンやテレビの電波・レントゲン写真のX線・紫外線・赤外線などがあります。
どれも同じものですが、波の大きさ波長によって性質が異なるので、用途に合わせて使っています。
色として知覚できる可視光線は、電磁波のごくわずかな波長領域にあります。可視光線は波の大きさによって目で見る色が違うことが判明したといわれています。
波が短い方は紫、長い方は赤く見え、その間は波の長さによって変化しているそうです。
● 目
可視光線は波の長さによって色が変化していますが、実は色がついていません。
可視光線が目に入ることで脳に届くことで色が分かるようになっています。
眼球の奥には網膜があり、光が届くと明暗を判断する桿体細胞(かんたいさいぼう)と色を判断する錐体細胞(すいたいさいぼう)によって色を解析して脳へ情報として届けてくれます。
● 物質
物質には、光を吸収する・反射させる・通り抜けさせるという性質があります。
光があたると物質は光を吸収します。
吸収できなかった光が反射、または透過することで目に入り脳が色を判断してくれます。
色の始まりはいつ?
色の始まりはいつからなのかハッキリしたものはありませんが、古代ギリシャの哲学者であるアリストテレスが、色は光と闇のはざまで生じると考えたことではないかといわれています。
アリストテレスは白色光が媒質を通ることで暗くなり、白と黒の間に黄色・赤色・紫色・緑色・青色が生じること考えたそうです。
日本の色の歴史
日本で色の概念が誕生したのは、紀元前よりも前であるといわれています。
言葉として認識された色はアカ・クロ・アオ・シロの4色で、漢字で書くと明・暗・漠・顕となります。
これらは、明け方から夜までの空の色を表していると考えられているそうです。
6世紀頃になると、中国から絵具・紙・墨が伝わってきました。
それと同時に色が持っていると考えられている意味も伝わります。
「五色」の考え方は、陰陽道の五行思想に結びつけられます。
五行思想とは自然哲学思想のことで、万物は火・水・木・金・土(七曜の命令)の5種類元素からなるといわれています。
五色は青・赤・黄・白・黒、五行思想にある元素の木・火・土・金・水と結びついていて、組み合わせは青と木・赤と火・黄と土・白と金・黒と水になります。
中国から染料も伝わってきたことで、衣服の色文化が誕生しました。
主なものには聖徳太子が定めた冠位十二階や奈良時代に定められた衣服令(えぶくりょう)があり、どちらも1番偉い色は紫色でした。
紫色が1番偉い色になったのは、染料として使う紫草(むらさき)という植物は数が少ないだけでなく、栽培も難しく高価な染料だったという理由だったそうです。
中世になると希少だった染料の原料を代用できるようになったことで、衣服の色文化は庶民にまで広まり、様々な階級の人たちが自分の好きな色の服を身につけるようになりました。
江戸時代では、蓼藍(たであい)を使った蓼藍染めのような青色の織物が広まっていったといわれています。
明治時代になると海外から多くの新しい顔料・染料が入ってきただけでなく、油彩や水彩の技法も入ってきたことで、色を使った表現の幅は広がっていきました。
色とは?色の正体とはじまり さいごに
色は光・目・物質によって何色かが分かります。
しかし目は個人差があるので、同じものを見ても色は違っている可能性はあります。
またストレスによっても色の見方は変わってくるそうです。
色の見方はその時の状態によって違ってくるかもしれないので、じっくり観察してみてはいかがでしょうか。