カレーは日本の国民食といわれていますが、世界には様々なカレーがあります。
日本のカレーはいつ・どこで誕生したのでしょうか?
日本式カレーの歴史を調べてみました。
また家庭でカレーを作る時のカレールーの発祥やカレーという名前の由来なども気になったことをまとめてみました。
日本式カレーの歴史とは?
日本式カレーとは、イギリスより伝わってきた欧風カレーを日本風にアレンジしたカレーです。
濃厚でトロミのあるソースをご飯にかけて食べるのが一般的で、ニンジンやジャガイモ・玉ねぎなどの野菜、牛や鶏・豚などの肉を具材として使っていることが特徴となっています。
カレーは18世紀後半頃、イギリス人が植民地支配をしていたインドから混合スパイス・マサラを持ち帰り、カレーパウダーにアレンジしました。
19世紀後半にカレーパウダーがイギリスから日本へと伝わりました。
1873年、陸軍幼年学校で土曜日はカレーの日と定められ学校の食事にカレーライスが登場しました。
「西洋料理指南」や「西洋料理通」という料理本には、カレー粉と小麦粉を使ってトロミのあるカレーライスの作り方が紹介されていました。
1876年に開校した札幌農学校(現在の北海道大学)で教頭をしていたクラーク博士が学生たちに肉や野菜を食べさせ栄養をたくさん取れるようにと1日おきにカレーライスを食べさせる規則を作りました。
当時クラーク博士は、学生たちの体格を改善するためには、肉や野菜・パンを食べさせることが重要で米を食べさせるのは良くないと考えていたそうです。
しかしカレーの時だけ米を食べても良いことになっていました。
陸軍でカレーが食べられるようになり、作り方を覚えた兵士たちが家に帰ったときに教えたことで一般家庭でもカレーが食べられるようになりました。
明治時代後半から洋食ブームとなったことで、庶民の味として親しまれていた和食店の人気が落ちたため、和食でも食べられるようにダシにカレーを入れたカレーうどんやカレー南蛮・カレー丼などを提供するようになりました。
第二次世界大戦後、学校給食のメニューとしてカレーが採用されました。
カレーはカレー粉で味を整え、小麦粉でトロミ出すという手間のかかる料理でしたが、1950年にカレールウが販売されるようになったことで手軽に作れる料理になりました。
日本で食べられている主なカレーライス
- カツカレー
豚や牛・鶏などのカツをトッピングとしてのせたカレーです。
勝つという験担ぎで受験や試合前に食べることがあります。
- 混ぜカレー
ご飯とカレーソースを混ぜたカレーです。
1910年大阪府難波にある「自由軒」が考案したといわれています。
小説家・織田作之助の好物で、「夫婦善哉」の作中にも登場しています。
- カレー丼
ご飯に和風ダシを加えたカレーソースをかけた丼です。
1909年に大阪府谷町にあった「東京そば」が売り出したといわれています。
カレールーの発祥は?
カレールーは1926年、大阪府にある稲田食品製造所(現在のハウス食品)が、カレー粉・小麦粉・油・旨味成分などを混ぜ固形化した「ホームカレー粉」という名前で販売したのが始まりといわれています。
1945年11月には名古屋市にある食品メーカー・オリエンタルが粉末状にしたカレールー「オリエンタル即席カレー」を販売しました。
当時の一般家庭には、カレーを食べるためのスプーンがなかったことからスプーンを景品としてつけて販売したことで広まっていきました。
その後テレビCMなどで各メーカーの販売合戦が起こり、様々なカレールーが販売されるようになりました。
- カレールーの製造過程
- 油と塩で小麦粉を炒めます。
- 炒めた小麦粉にカレー粉・スパイス・調味料などを加えて、ゆっくりかき混ぜます。
- トレーに入れ、冷蔵庫で冷やし固めます。
- 検査をして問題がなければパッケージに入れ、完成となります。
カレーの名前の由来
カレーの由来には、いくつか諸説があります。
- 由来 その1
タミル語でソース・汁という意味のKari(カリ)がカレーと変化した。
- 由来 その2
ヒンズー語で香り高い・美味しいものという意味のTurcarri(ターカリー)がTurri(ターリ)となり、カレーへと変化していった。
- 由来 その3
北部インド料理のKady(カディ)がカレーへと変化した。
日本式カレーの歴史 さいごに
日本のカレーは兵士や学生たちの体格を良くするために作られ、その後広まっていきました。
カレー一皿で様々な栄養がご飯とともに取ることができることから人気となり、今では誰もが知っている国民食となりました。
いろんなカレーがあるので、食べ比べてみてはいかがでしょうか。