ホスピタル・クラウンとは、病院を訪れ入院患者に笑いを届け心のケアをする道化師のことをいいます。
また同じように入院中の子どもたちと遊び・コミュニケーション通して心のケアをするクリニクラウンもいます。
ホスピタル・クラウンの役割や歴史、クリニクラウンとの違いなどを紹介します。
目次
ホスピタル・クラウンの役割は?
ホスピタル・クラウンは病院を訪れ、入院中の子どもたちにパフォーマンスを披露する道化師のことをいいます。
人は笑うことで、身体に悪影響を及ぼす物質を攻撃してくれるリンパ球の1種であるナチュラルキラー細胞の働きが活発なるといわれています。
ナチュラルキラー細胞とは、全身を巡回しながらウイルスなどの病原菌を見つけ次第攻撃する免疫細胞です。
ナチュラルキラー細胞の活動が活発になればなるほど感染症・ガンになりにくいといわれています。
ホスピタル・クラウンは制限の多い入院生活でストレスが溜まっている患者や家族たちに笑いを届けることで、心だけでなく身体もケアしてくれます。
ホスピタル・クラウンになるには
ホスピタルクラウンになるには、まずクラウンになる必要があります。
クラウンになるための養成学校や講座があるので、詳細はインターネットなどで調べてみてください。
- 日本ホスピタルクラウン協会の賛助会員に登録します。
- 賛助会員のイベント、または赤い鼻サポーターの楽しい集いと養成講座説明会に参加します。
- 性格診断テストと面接を行い、適正の有無を見極めます。
- 認定クラウン養成講座を受講します。
- 病院での実習を行います。
- 協会スタッフに認められれば、ホスピタルクラウンに認定されます。
認定後は、年間訪問回数をはじめとする規定の条件を満たし、年に1回の全体会議に出席すれば、更新されます。
クリニクラウンとホスピタル・クラウンの違いとは?
ホスピタル・クラウンの他に、クリニクラウンがいます。
クリニクラウンもホスピタル・クラウンと同じように、病院を訪れ入院中の子どもたちと一緒に遊び成長を見守ります。
クリニクラウンになるには
クリニクラウンに認定されるには、オーディションに合格してから約1年の研修を受け認定試験に合格する必要があります。
- 日本クリニクラウン協会が行うオーディションにエントリーします。
- オーディションに参加します。
- オーディションに合格したら、研修生として計6回の養成研修前期課程を受けます。
- 研修成果や面談の内容で、次の課程に進めるかを判定します。
- 審査に合格したら、臨床研修生として計6回の養成研修中期課程を受けます。
- 養成担当者の指導で10回以上の病院での実習を行います。
- 計6回の養成研修後期課程を受けます。
- クラウン認定試験を受け、合格したらクリニクラウンとして活動することになります。
ホスピタル・クラウン/クリニクラウンの1日
- 病院に到着
着替えや消毒を済ませてから、病院スタッフと打ち合わせをして子どもたちの体調や訪問順番を確認します。
- 病室訪問
病室で子どもたちと一緒に遊びます。訪問時間は約2時間です。
- 報告
訪問中の子どもたちの様子を病院スタッフへ報告して、終了となります。
ホスピタル・クラウンとクリニクラウン活動内容は同じで、違いといえば呼び方と認定を受けるまでの課程ようです。
ホスピタル・クラウンの歴史 はじまりは?
ホスピタル・クラウンは1980年頃のアメリカで、サーカスに所属していたマイケル・クリスチャンセン氏が友人の子どもが入院している病院へクラウンとして訪問したのが始まりであるといわれています。
その後アメリカ人医師のハンター・アダムス氏が、ホスピタル・クラウンの活動を始め存在を広めました。
1986年には、ニューヨークのビッグアップルサーカス、マイケル・クリステンセン氏がクラウンドクターと呼ばれる専門家の育成を始め全米へと広まり、やがて世界へと広まっていきました。
クリニクラウンの歴史
クラウンドクターの活動がオランダに伝わり、子どもを対象としたクリニクラウンへと発展しました。
1992年には国民の寄付を中心としたクリニクラウン財団が設立されました。
2003年頃日本在住のオランダ人夫妻が、娘が入院した病院にクリニクラウンがいないことに疑問を持ったことから日本での本格的な活動が始まりました。
オランダ総領事館がクリニクラウン財団にオランダ人のクリニクラウン派遣を要請したことで、少しずつ医療現場に浸透していきました。
2005年6月にクリニクラウン財団と提携し、日本クリニクラウン協会が大阪に設立されました。
ホスピタルクラウン役割と歴史 さいごに
認定されるまでの課程や呼び方に違いはあるけど、どちらも入院している子どもたちに笑いを届け、心と身体をケアしてくれる役割があります。
新型コロナウィルスの影響で活動が難しい状況になっていますが、できる範囲で病気と闘う子どもたちを支えて欲しいと思います。