料理に風味や香りをつけてくれる、ゆず・かぼす・すだちが日本ではいつ頃からあったのでしょうか。
あまり違いも意識したことなく使っていましたが、それぞれの違いや特徴を知るとその歴史や起源も知りたくなりませんか。
ゆず・かぼす・すだちの歴史や起源・名前の由来などを紹介します。
ゆず かぼす すだちの歴史
ゆずの歴史
記録によると、日本では飛鳥時代からゆずの栽培が行われていたそうです。
1940年代まではゆずの主な栽培地は埼玉県でしたが、1970年以降では高知県が主な栽培地となっています。
かぼすの歴史
江戸時代初期に中国から伝わり、万病に効く医薬品として栽培されていました。
1695年、宗源という医者が京都からかぼすの苗木を大分県に持ち帰ったことで主な栽培地となりました。
すだちの歴史
ゆずの偶発実生といわれていて、「リマン」という名前で記録に残っています。
1955年頃になると本格的に栽培が始まり、現在では徳島県が主な栽培地となっています。
それぞれの起源と発祥地
ゆずの起源と発祥地
中国の揚子江上流が原産といわれていますが、日本の山口県や徳島県に野生のゆずがあったそうです。
日本でのゆず栽培の発祥地は、京都市右京区の水尾(みずお)で鎌倉時代に天皇がこの地にゆずを植えたのが始まりであるといわれています。
現在は高知県が主な栽培地ですが、水尾でもゆずの栽培は続けられていて京都の料亭や和菓子店などで重宝されています。
【ゆずの種類】
ゆずは京都で栽培が始まり日本各地へと広まっていくことで、様々な種類が誕生しました。
- 本柚子(ほんゆず)
一般的なゆずで、早生種や種なし・枝のトゲが少ないなどの種類があります。
- 花柚(はなゆ)
果実は約50gと小さく、皮は薄く花柚子(はなゆず)や常柚(とこゆ)・一切ゆずとも呼ばれています。
本柚子より香りが少なめですが、料理の香りづけに使われています。
また花の香りが良いので、花も料理の香りづけに使われています。
- 柚柑(ゆこう)
ゆずと柑橘類の1種である九年母(くねんぼ)を交配しているのではないかといわれていて、柚香と書かれていることもあります。
江戸時代から栽培されていて、ポン酢の原料として使われています。
- 獅子柚子(ししゆず)
柚子とついていますが、高知を代表する果物・分担の仲間です。
皮は黄色く、ゴツゴツとしています。
鬼柚子(おにゆず)、またはジャガタラ柚とも呼ばれています。
生食に適しておらず、ジャムや砂糖漬けなどに使われています。
かぼすの起源と発祥地
ヒマラヤ地方が原産で、ゆずの突然変異で生まれたといわれています。
日本でのかぼす栽培の発祥地は大分県臼杵市で、宗源という医者が京都から持ち帰った苗木を植えたのが始まりであるといわれています。
現在でも樹齢200年前後のかぼすの木が点在しているそうです。
【かぼすの種類】
- カボス大分1号
代表的な品種で、大分県で生産されているかぼすの約85%を占めています。
- 香美の川
1980年、大分県津久見市で発見された希少品種です。
果実はカボス大分1号より少し小さめで、皮は薄く果汁は多く含まれています。
- 祖母の香
1974年、大分県豊後大野市緒方町で発見された希少品種です。
果実は小さく縦に放射状のスジがあり、果頂部に凹環があります。
すだちの起源と発祥地
徳島県が原産となっていますが、起源についてはハッキリしていません。
スダチの栽培は1956年徳島県神山町籠野地区の農家たちが取り組んだのが始まりといわれています。
【すだちの種類】
- 徳島1号
トゲが短く、玉揃いが良いという特徴があります。
- 本田系
トゲが小さく、果汁は多く含まれています。
- 徳島3X1号
徳島県果樹試験場で育成された品種で、種はありません。
ニューすだちという愛称があります。
ゆず かぼす すだちの名前の由来
- ゆずの由来
中国語の「柚(ゆう)」が平安時代では「ゆ」と呼んでいました。「ゆず」と呼ぶようになったのは江戸時代で、中国語の「柚子(ゆうづぃ・ゆうつ)」が由来となっています。
- かぼすの由来
江戸時代に蚊を追い出すために皮を刻んで使っていたことから、「蚊いぶし」から「かぶし」→「かぼす」と呼ぶようになったといわれています。
- すだちの由来
果汁を食酢として使っていたことから酢橘(すたちばな)と呼ばれていて、次第に「すだち」と呼ばれるようになりました。
ここでいう橘は、生食されていたミカンの総称です。
ゆず・かぼす・すだち歴史など さいごに
ゆず・かぼす・すだちは古くから日本で栽培されています。
店頭ではかぼす・すだちと名称がまとめられていますが、いくつかの種類があります。
ゆず・かぼす・すだちについて、再確認してみてはいかがでしょうか。