弁当箱といえばプラスチック製が多いですが、木材で作られた弁当箱「曲げわっぱ」が人気になっています。
でも木の弁当箱は知っていますが曲げわっぱとは?という方もいると思います。
曲げわっぱとはどんなもので、いつどこで誕生したのでしょうか。
曲げわっぱの特徴や歴史などを調べてみましたのでご紹介します。
曲げわっぱとはどんなもの?
曲げわっぱとは、スギやヒノキなどの木板を特殊な方法で曲げ、継ぎ目を山桜の皮で綴じ底をつけた器のことをいいます。
曲げわっぱは弁当箱の他におひつや食器・ひしゃく・神社などで使われる神具などがあります。
曲げわっぱの特徴
曲げわっぱには主に3つの特徴があります。
- 軽い
曲げわっぱは薄い木板で作られているため、プラスチック製より軽いです。薄い木板で作られていますが、特殊な方法で曲げられているため強度と柔軟性を併せ持っているので落としても壊れる心配はありません。
- 通気性と保温性
木材には湿気を吸う性質があります。
そのため内部に溜まる湿気を取り除いてくれるので、ご飯が湿ってしまうことを防いでくれます。
また断熱効果もあるので、ご飯を温かい状態で保つことができます。
- 殺菌効果
曲げわっぱに使われているスギやヒノキには殺菌効果があるので、夏場でも食材が腐りにくくなります。
曲げわっぱの塗装
曲げわっぱの塗装には、主に無塗装・漆塗り・ウレタン塗装の3つがあります。
無塗装
白木とも呼ばれていて、塗装が行われていない状態のことです。
塗装されていないので湿気が吸収しやすくなり、ご飯がふっくらとした状態を保つことができます。
【手入れ方法】
- 約50度のお湯、または水を入れて軽く汚れを落とします。
- 研磨剤の入ったクレンザーとタワシで表面を磨くように洗います。
- しっかりとすすぎ洗いしてから、水分を拭き取り乾かします。
漆塗り
水分や油に強いので、カビ・シミができにくくなります。また、耐久性も上がるため長く使い続けることができます。
しかし漆が塗られているため、通気と吸収性が悪くなるという欠点があります。
【手入れ方法】
- 水で軽く汚れを落とします。
- 中性の食器洗剤と柔らかいスポンジで優しく洗います。
- しっかりとすすぎ洗いしてから、水分を拭き取り乾かします。
ウレタン塗装
ウレタン系樹脂を主成分とした合成樹脂塗料なので、漆塗りと同じく水分や油に強いです。
またウレタン特有のニオイがあるため、木材が持つ香りを楽しむことはできません。
【手入れ方法】
- 中性の食器洗剤と柔らかいスポンジで優しく洗います。
- しっかりとすすぎ洗いしてから、水分を拭き取ります。
曲げわっぱの発祥はいつどこで?
曲げわっぱは約1300年前、現在の秋田県大館市で木こりがスギの柾目で作ったことが始まりであるといわれています。
曲げわっぱの産地
曲げわっぱは、地域によって呼び名に違いがあります。
- 秋田県
大館曲げわっぱと呼ばれていて、白くて温もりのある秋田杉が使われています。
秋田杉は日本三大美林の1つに指定されていて、現在は伐採が禁止されているためストックしている秋田杉で作られています。
- 青森県
ひばの曲物と呼ばれていて、大館曲げわっぱと同じく色が白っぽい曲げ物です。
伸縮性が少ない・水分がしみにくいため硬いのが特徴となっています。
また殺菌成分が強いため、腐りにくいといわれています。
- 静岡県
井川めんぱと呼ばれていて、ヒノキに天然漆が塗られています。
光沢感が強く、塗り直せば長く使える丈夫な曲げわっぱです。
ちなみに、めんばとは弁当箱のことを指しています。
- 福岡県
博多曲物と呼ばれていて、スギやヒノキで作られています。
人気が高く、製作が追いついてないといわれています。
曲げわっぱの歴史
曲げわっぱは約1300年前、木こりがスギの柾目を曲げて桜の木の皮で縫い止めた弁当箱が始まりであるといわれています。
約400年前、秋田藩初代藩主の佐竹義宣が豊富な森林資源を使い下級武士の手内職として奨励したことによって曲げわっぱの生産が盛んになり、他の藩でも作られるようになりました。
曲げわっぱとは?発祥と歴史 さいごに
曲げわっぱには通気性・保温性・殺菌効果によって、ご飯やおかずの美味しさを保てるようになっています。
しかし木で作られているため、手入れを怠るとカビを発生させてしまいます。
長く使うためにはしっかりとした手入れが大切です。
自分に合った曲げわっぱで弁当を楽しんでみてはいかがでしょうか。