さくらんぼは5~7月頃までが旬の果物です。
ほどよい甘味と酸味のある果物で、時期になるとツアーなどでさくらんぼ狩りには多くの人たちが訪れています。
さくらんぼという名前から果実は桜の木になるといわれていますが、実際に実をつけている桜の木はどの種類なのでしょう。
さくらんぼがなる桜の木や由来・語源・歴史などを紹介します。
目次
さくらんぼのなる木と桜の木は違う?
桜はバラ科サクラ亜科サクラ属の落葉高木・低木の総称です。
日本では約100種類以上の桜が自生しています。
一重咲きや八重咲き、枝垂れ咲きなど品種によって様々な咲き方・色合いを楽しむことができます。
さくらんぼがなるのは、ヨーロッパや北西アフリカ・西アジアなどに自生しているサクラ属の西洋実桜(セイヨウミザクラ)と酢実実桜(スミミザクラ)などです。
西洋桜が日本に入ってきたのは明治時代で、北海道に移植されたものが広まっていったといわれています。
ソメイヨシノにも小さな実がなることもありますが、味は酸っぱくて苦いため食用には向いていません。
桜の花の色といえばピンク色がよく知られていますが、さくらんぼがなる西洋実桜やスミミザクラの花の表面は白色なので見分けることができます。
西洋実桜(セイヨウミザクラ)
バラ科の落葉高木で、ヨーロッパや北西アフリカ・西アジアなどに自生しています。
4~5月にかけて5枚の花びらのある白い花を咲かせます。
花が散った後に直径約2cmの実がなり、6~7月頃に熟し、さくらんぼとして食べることができます。
西洋実桜は観賞用としても育てられていて、ヨーロッパでは公園や庭木として使われています。
樹脂は香料、またはチューインガムの代用、種の核は咳止めや利尿薬など医薬として使われています。
花言葉には、善良な教育・小さな恋人・上品・幼い心などがあります。
酢実実桜(スミミザクラ)
バラ科サクラ亜科サクラ属の落葉樹で、ヨーロッパや南西アジアなどに自生しています。
木の高さは約4~10mで西洋実桜より低く、実は少し黒っぽいという特徴があります。
実は酸味がとても強いため生食には適しておらず、スープや豚肉料理などに使われています。
また砂糖を加えることで酸味を抑え、香りと風味が引き出されるのでシロップやジャム・ジュース・リキュールとして使うことができます。
酢実実桜の花言葉は、善良な教育・小さな恋人・上品・幼い心が西洋実桜と同じですが、他にあなたに真実の心を捧げるがあります。
なぜさくらんぼという名が?語源と由来
さくらんぼの語源・由来には、諸説がいくつかあります。
- 果実の可愛い姿から桜の坊(こども)と見立て桜坊(さくらんぼう)となり、「う」がおちて、「さくらんぼ」になった。
- 漢字で書くと桜桃で「おうとう」と読みますが、「さくらもも」とも読めることから変化し「さくらんぼ」になった。
さくらんぼの歴史 日本に伝えられたのはいつ?
さくらんぼは、古代ローマの執政官・ルックスルスが第三次ミトリダテス戦争時に黒海南岸のケランス近くに駐屯したときに、さくらんぼの木を見つけローマに持ち帰ったことでヨーロッパ諸国へ広まっていきました。
ノルマン人によってシェリーズと名付けられ、イングランドへ渡ったときにシェリーとなり、英語のcherry(チェリー)になったといわれています。
16世紀頃から本格的に栽培が始まり、17世紀にはアメリカ大陸に伝えられました。
日本での栽培は、1872年北海道開拓使がアメリカから導入したことから始まりました。
1873~1874年には中国から桃の苗木と一緒に持ち帰ったシナノミザクラ、1874年頃には政府がアメリカ・ヨーロッパから桜桃品種を導入し苗木を育て、東北や北海道などに配布して栽培させたといわれています。
その後オウトウの輸入が行われ、東北・北海道・甲信地方での栽培が広まっていきました。
1910年日本独自のオウトウ品種である「北光」、1912年には「佐藤錦」が発表されました。
1975年以降では、佐藤錦の栽培が本格的になりました。
さくらんぼのなる木と桜 さいごに
さくらんぼは桜の木になる果実ですが、花見で見るソメイヨシノや寒緋桜(ヒカンザクラ)ではなく西洋実桜や酢実実桜になる果実です。
アメリカから導入したことで日本でもさくらんぼを味わうことができるようになりました。
目で楽しむ桜と果実を味わうことができる桜、それぞれ違いはありますが良さをじっくり楽しみましょう。