現在ではエアコンやオイルヒーター・電気カーペット・ファンヒーターなど多くの暖房器具があります。
昔の日本では、どんな暖房器具が使われていたのでしょうか。
暖房器具の日本でのはじめてや変化の歴史、また現在ある暖房器具の種類やそれぞれの特徴などをまとめてみましたのでご紹介します。
暖房器具の日本での歴史
日本では石器時代に火を使っていた痕跡があったことから焚き火が暖房器具の始まりであると考えられています。
当時、火は神聖なもので野獣から身を守るためにも使われていたようです。
縄文・弥生時代の居住跡には囲炉裏があり、焚き火が家に持ち込まれるようになりました。
囲炉裏は暖を取るだけでなく、煮炊きなどをする調理道具や家の中を明るくする照明の役割など生活の中で重要な役割を果たしていました。
奈良時代になると置炉(おきろ)の1種である火鉢が登場します。
火鉢は煙の出ない木炭を燃料にしていて、燃焼時間が長く火力が安定しています。
炭火には、じんわりと暖かさが続く輻射効果があるので、小さな火でも身体の芯まで温めることができます。
火鉢は現在でもインテリアとして使われています。
平安時代では行火の原型となる桐火桶(きりびおけ).という暖房器具がありました。
桐火桶とは、桐材の内部をくり抜き真鍮や銅などの板を張り、そこに炭火を入れて暖を取っていました。
室町時代になると、手足を温めるためのフタのついたバンドコ(いわゆる行火のこと)というものが使われるようなりました。
江戸時代では、行火(あんか)は布団を掛けて使う1人用の暖房器具となり、瓦や石で作られていました。
1913年、下羽電気商会が電気行火を製造し、販売を始めました。
室町時代では中国から伝わった湯湯婆(ゆたんぽ)が使われるようになりました。
湯湯婆は夜寝るときに布団に入れて足を暖めるための暖房器具です。
陶器で作られた湯湯婆にお湯を入れて使っていました。
大正時代ではブリキで作った湯湯婆が登場し、現在では樹脂で作られた湯湯婆があります。
畳での生活が一般的となった江戸時代では、炬燵が広く普及しました。
炬燵は熱源を布団で覆うことで、効率良く暖を取ることができます。
現在の炬燵の熱源は電気ですが、1955年頃までは炭火が炬燵の熱源となっていました。
また江戸時代末期では、北海道で日本初となるストーブが誕生しました。
鋳物(いもの)型石炭ストーブ→貯炭式ストーブと形を変え、高度成長期には石油ストーブが普及しました。
1960年代には温水を循環させて家全体を暖める温水暖房がありましたが、1978年の第2次オイルショック直後には衰退してしまいました。
しかし、石油の供給バランスが回復したことで灯油の値段が安くなったことで温水セントラル暖房が広まっていきました。
現在では様々な熱源をつかったボイラーがあります。
現代の暖房器具の種類いろいろ
現在使われている暖房器具には、
- エアコン
- オイルヒーター
- 炬燵
- 石油ストーブ
- ファンヒーター
- ホットカーペット
などがあります。
暖房器具のそれぞれの特徴
エアコン
部屋の温度を調整することができる家電製品です。
温度や風量・風向きを自分好みに調節できます。
冷暖房機能があるので1年中使えるだけでなく、火傷の心配もないので小さな子どもがいても安心です。
オイルヒーター
オイルを電気で暖めて循環させることで、部屋を暖めることができます。燃料を補充する必要がなく、火傷の心配もありません。
温風を発生させることがないので、乾燥が苦手な人でも安心して使うことができます。
炬燵
天板の裏に電気ヒーターがついているテーブル型の暖房器具です。
暖めるには炬燵布団が必要ですが、下半身を中心に身体を芯から暖めることができます。
床に座る形状が一般的ですが、最近では椅子の高さに合わせたダイニングタイプもあります。
石油ストーブ
灯油を燃焼して空気を暖める暖房器具です。
石油ストーブは電源が必要ないため、停電や災害の時でも使うことができます。
お湯を沸かす・食べ物を温めることはできますが、高温になっているので火傷にならないように注意する必要があります。
ホットカーペット
カーペットの中に電熱線があることで、床から暖めることができる暖房器具です。
ただし、直接床に敷くとフローリング材が劣化する恐れがあるので、断熱シートを敷いておくことがオススメです。
日本の暖房器具の歴史と種類 さいごに
日本の暖房器具は焚き火から始まり、現在では数多くの暖房器具があります。
それぞれに特徴があるので、自分に合った暖房器具で寒い冬を過ごしてみてはいかがでしょうか。
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