犬は人間とのつきあいが最も長い動物で嗅覚や聴覚が鋭いことからペットだけでなく、猟犬や番犬・警察犬・盲導犬などと様々な場面で活躍しています。
犬の祖先はオオカミといわれています。
犬はどのようにオオカミから進化していったのでしょうか。
犬の起源や歴史そして人間とのかかわりについて調べてみましたのでご紹介します。
犬の起源と歴史 犬の始まりはオオカミ?
犬は約15000年前に中近東でオオカミを家畜として扱っていたことが始まりといわれています。
その後アジアやヨーロッパ・アメリカへと広がっていったそうです。
オオカミは家畜になったことで、鼻口部や下顎が短くなるなど形態が変わっていきました。
現在では品種改良によって多くの種類が存在しています。
オオカミは社会性の強い動物で、群れで縄張りをもち生活をする習性があります。
この習性は犬にも受け継がれていて集団生活を好むため、人間と一緒に生活することができます。
犬と人間の歴史 日本で犬と人が暮らしはじめたのはいつから?
いつから日本に犬がいたのかは不明ですが、縄文時代から人間と一緒に生活をしていたといわれています。
遺跡からは埋葬された状態と骨が散乱した状態になっている犬がそれぞれ発見され、家族の一員だった犬とそうではない犬との2つのパターンがあったと考えられています。
縄文時代早期から中期の犬は約45cmの中型犬だったが、日本で飼育されるようになったことで後期になると約40cmの小型犬へと変化していきました。
弥生時代になると墓に供えられた壷の中に犬の骨の1部が入っていたことから、供え物になったことが分かりました。また長崎県の遺跡からは解体されたと思われる犬の骨が発見されていて食用になっていたと考えられています。
奈良平安時代では貴族が鷹狩り、または守衛として犬が使われていて、その犬を飼育する犬養部(いぬかいべ)という職業がありました。
また平安京では人間の残飯や排泄物、放置された人の死体を犬が食べていたそうです。
鎌倉時代では武士の弓術修練の1つとして走り回る犬を緩衝材のついた蟇目矢(ひきめや)で射る犬追物(いぬおうもの)や犬同士を闘わせる闘犬が盛んとなりました。
江戸時代では第5代将軍の徳川綱吉が発布した「生類憐れみの令」によって犬が手厚く保護されていました。
開国・文明開化によって西洋文化とともに洋犬を飼育することが流行しました。
現在では5世帯に1世帯が犬を飼っています。
犬はいつから人間のペットになったの?
約15000年前の古代ローマでは犬は狩猟目的とした家畜として飼われていました。
中世になると貴族たちが犬を可愛がることを目的としたペットとして飼われるようになり、その後一般の人たちもペットとして犬を飼う文化が広まっていきました。
一方日本では、犬をペットとして飼うようになったのは第二次世界大戦後の1950年代といわれています。
明治時代でも犬を飼うことはありましたが、犬の狂犬病は人間に感染することが懸念されていたからといわれています。
室内で犬を飼う文化が定着したことでブームとなり現在では代表的なペットとなりました。
犬の生態
犬はオオカミから派生した動物ですが人と暮らすようになったことで、群れで狩りをする必要がなくなり人間から与えられる食べ物を主食にするようになりました。
また人間から与えられた食べ物を効率良く吸収できるように腸が進化して長くなりました。
オオカミの遠吠えは仲間同士のコミュニケーションとして使われていましたが、ほとんどの犬種では吠えるという行動に変わっていきました。
遠吠えをする犬種としてシベリアンハスキーがいます。
オオカミと同じような行動には、縄張りを守る・マーキング・穴を掘る・埋める・犬同士の挨拶・ボディーランゲージなどがあります。
ペットとして人気のある犬
- トイプードル
頭がよく運動能力もあり、好奇心が強い犬です。
家族に対して愛情が深く、他人や犬に対しても上手に接することができます。
- 柴犬
猟犬として長く存在していたため、獲物を見つけたとき猟師がそばにいない、または十分な命令を出さないとき自分の判断で行動することができる犬です。
自立心が強いので、初心者が飼うには難しいといわれています。
- チワワ
明るく陽気で勇敢な性格な犬です。
非常に保守的で家族と他人をしっかりと区別することができるので、番犬としては優秀です。
しかし怖がりもあることから吠え癖もあります。
犬の起源と歴史 さいごに
オオカミが家畜として飼われるようになってきたことから、形態が変わり犬となっていきました。
海外では犬はペットとしてのつきあいは長いのに、日本ではまだ短いことには驚きました。
現在では大切な家族の一員として犬をペットにしている人が増えてきました。
しっかりと世話をして、犬と長いつきあいをしてみてはいかがでしょうか。