フライや炊き込みご飯・グラタンなど様々な料理に使える牡蠣は、お店に並んでいるのは生食用と加熱用の2種類があります。
同じ牡蠣なのに、どうして生食用と加熱用に分けられているのでしょうか?
生食用といえば鮮度であると思われがちですが、実は違うんですね。
生食用と加熱用の違いや美味しい牡蠣の見分け方・洗い方などを紹介します。
牡蠣の生食用と加熱用の違いとは?
牡蠣の生食用と加熱用の違いには、指定海域と処理方法があります。
生食用は各県の保健所が指定したウイルスや菌がいない海域で採れたもので、それ以外は加熱用となります。
指定海域で採れた牡蠣は水揚げされてから、一定時間紫外線などで滅菌した海水で洗浄し様々な条件をクリアした牡蠣が生食用となります。
しかし県によっては牡蠣の指定海域がない場合があります。
その時は洗浄した牡蠣が厚生労働省で定めた「生食用かきの規格基準」をクリアしていれば生食用として出荷することができます。
おいしい牡蠣の見分け方と選び方
牡蠣だけでなく貝類は新鮮な物が美味しいといわれています。
むき身となってパックされている場合は、日付の新しい物を選びましょう。
また貝柱と身の色で美味しい牡蠣なのかを見分けることができます。
ひらひらとした外套膜についている貝柱が透明で、身の色が薄い黄色みがあるものを選ぶようにしましょう。
牡蠣は水揚げから時間が経つと貝柱や身の色が濁っていき乳白色になっているので注意しましょう。
殻付きの場合は、殻がしっかり閉じていて重くキズが少ない牡蠣を選びましょう。
キズが多いのは、洗浄中に殻にキズがつくことによって弱っている可能性があるといわれています。
牡蠣の洗い方は塩水で?
水で洗ってしまうと、浸透圧の働きによって牡蠣の身が膨れてしまい加熱すると縮んでしまいます。
牡蠣の身を洗う方法には塩水・大根おろし・片栗粉の3つがあります。
牡蠣の調理方法によって洗い方が変わってきます。
簡単に下処理をしたい・加熱調理の時は塩水、ニオイは残るけど汚れを取り除きたい・加熱調理の時は片栗粉、生臭さをしっかり取りたい・生食、加熱調理のときは大根おろしを使った洗い方が適しています。
塩水
牡蠣に付いているヌメリは水に溶けにくい性質となっていますが、塩水で洗うとキレイに取ることができます。
牡蠣は塩水を吸い込むので手早く洗いましょう。
【手順】
- ボウルに水(1リットル)に塩(30g)を入れて、塩水を作ります。
- 塩水が入ったボウルに牡蠣を入れます。
- 円を描くように回し、牡蠣に付いているヌメリや汚れを落とします。
- 流水で軽くすすぎ、水気を拭き取ったら終了です。
大根おろし
和食の下ごしらえとしてよく使われている方法です。
大根にはタンパク質を分解する酵素・プロテアーゼが含まれているのでヌメリを取るだけでなく、蠣特有の生臭さも取れます。
【手順】
- 牡蠣の身をボウルに入れます。
- 大根おろし(適量)を入れます。
- 牡蠣全体に大根おろしがなじむように混ぜます。
- 大根おろしの色が灰色になったら、牡蠣を取り出します。
- 水で軽く洗い、大根おろしを取ったら終了です。
片栗粉
片栗粉は粒子が細かいため、汚れが取れにくいヒダに部分に入り込みヌメリも一緒に吸着してくれます。
【手順】
- 牡蠣の身をボウルに入れます。
- 片栗粉(適量)を牡蠣の身にまぶし、なじむように混ぜます。
- 片栗粉が濁ってきたら、牡蠣の身を取り出します。
- 水で手早く汚れを洗い落としたら終了です。
殻付き牡蠣
普段スーパーなどで牡蠣を買うとパック入りのむき身の状態のものが一般的です。
でも殻付の牡蠣の場合は?
まず殻に水をかけながら、タワシでゴシゴシと表面についた汚れを落とします。
殻付き牡蠣の洗い方や開け方については次の記事で詳しく書いています。
そちらをご覧いただければと思います。
生食用と加熱用牡蠣の違い さいごに
生食用の牡蠣は安全に食べられるように指定された海域から採り処理されていて、それ以外は加熱用となります。
加熱用は生食用より身が大きく味が濃いといわれています。
しかし加熱用には食中毒を引き起こすウイルスや菌がいるため、しっかりと火を通して死滅させることで食べることができます。
生食用と加熱用をしっかりと確認して、牡蠣を美味しく食べましょう。