おたまは、カレーやシチュー・味噌汁など汁物を掬うときに使う調理器具です。
海外ではレードルと呼ばれていますが、なぜ日本では「おたま」と呼ばれているのでしょう?
お玉は掬うだけでなくまぜたりもしますが、それにはヘラや菜箸もあります。
調理器具の使い方に基準はあるのでしょうか?
おたまの名前の由来や歴史・種類などを調べてみました。
調理器具のおたまにはどんな種類がある?
おたまの種類には、素材や形状、機能などでそれぞれの種類を分けられます。
素材
おたまの素材にはステンレス・ナイロン・シリコン・木があります。
ステンレス
熱に強くて丈夫なので長く使うことができます。
またニオイや色がつきにくいので、カレーやシチューに使うことができます。
ステンレスは硬いので、フッ素樹脂加工してあるフライパンや鍋の調理面を傷つけてしまうことがあります。
熱伝導率が良いため、長時間使っていると持ち手部分が熱くなり火傷することがあるので、注意しましょう。
持ち手部分が樹脂や木など熱くならない素材で覆われているタイプもあります。
ナイロン
軽いので誰でも手軽に使えることができます。
フッ素樹脂加工してあるプライパンや鍋の調理面を傷つける心配がないので安心です。
ただし耐熱性は高くないので、揚げ物に使う、または長時間鍋に入れたままにしておくと変形する・溶けてしまうことがあるので注意しましょう。
シリコン
柔軟性があるのでゴムベラのように鍋底の料理をかき集めることができます。
また商品によっては耐熱性の高いものがあるので、ナイロンのように溶ける・変形の心配は少なくなります。
ただしカレーやニンニクなどに使うと色やニオイがつきやすい、刃物に弱いので注意する必要があります。
木
鍋やフライパンを傷つけることなく使えます。
また見た目がいいので、大皿料理の取り分けスプーンとして使うこともできます。
ただし、しっかりと水気を取らないとカビが生えてしまうので、洗った後は乾かしましょう。
また燃えやすいので、火のそばに置いてはいけません。
形状
おたまには、お椀型・楕円状・横口・中華用・両口などがあります。
お椀型
一般的なおたまで、初心者でも使いやすくなっています。
深さがあるので、大きな具材のある料理やスープ・味噌汁などの汁物がすくえます。
楕円状
お椀型より少し横に広がっていて、具材や汁物がすくいやすくなっています。
横口
おたまの横に注ぎ口があり、汁をこぼさずに器に入れることができます。
茶碗蒸しを作るとき、卵液を器に入れるときに便利です。
ただし利き手があるので、左利きの人は左利き用を用意してくださいね。
中華用
柄が長く椀部分との角度が浅くなっているので、強火で炒めるときに便利なおたまです。
両口
椀部分の両側に注ぎ口がついているので、利き手に関係なく使うことができますよ。
機能
料理するときに便利な機能がついているおたまを紹介します。
目盛り
椀部分の内側に目盛りがついているので、計量カップや計量スプーンを用意する手間が省けます。
また均等に取り分けるときの目安にもなりますよ。
自立型
おたまに支えがある・底部分がフラットになっているので、おたまを置くための皿を用意する必要がありません。
穴あき
椀部分の底に穴が開いているので、具材と汁を分ける・揚げ物を取り上げるときに便利です。
おたまの名前の由来
おたまは「お玉杓子」が正式名称ですが、「お多賀杓子(おたがじゃくし)」が語源になっているといわれています。
奈良時代、元正天皇が病気になったとき滋賀県にある多賀大社の神官たちが完治を祈念し、米を蒸して飯にした強飯(こわめし)を大きな杓子に乗せて献上しました。
元正天皇の病気が治ったことで、杓子は縁起物となり「お多賀杓子」と呼ばれるようになり、「お玉杓子」や「お玉」へと変わっていったそうです。
おたまやへらの歴史
縄文時代、煮炊きするようになったとき棒で料理をかき回していました。
かき回しやすくするために棒をヘラ状に加工、汁をすくうために棒の先に貝殻をつけて使ったのが始まりであるといわれています。
その後、調理方法の変化によって様々な形状や素材のおたま・ヘラが登場するようになりました。
お玉 さいごに
おたまは料理をかき混ぜる・すくうのに便利な調理器具です。
ステンレスやシリコン・ナイロンなど様々な素材があるので、自分に合ったおたまで料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。
♪ピーラーについての記事はこちらをご覧いただければと思います。
ピーラーはいつから日本で使われていた?歴史と刃の種類と使い方