花をいけることは同じなのに、名前には華道といけばなの2つがあります。
生け花も活け花と書いたりひらがなだったりといろいろあります。
華道と生いけばなには、どんな違いがあるのでしょうか?
わからないことは調べるにかぎります!
華道といけばなの違いやそれぞれの流派のできたわけや特徴など調べてみました。わかったことをご紹介します。
目次
華道といけばなの違いは何?
華道は神様・仏様に花を供える風習が始まりといわれています。
室町時代中期に流行した建築様式・書院造りには床の間があり中国から輸入した器や絵画を飾るだけでなく、そこに華やかさを加えるために花や植物をいけるようになったそうです。
その後庶民にも広まりましたが、華道は花や植物を飾るだけでなく、礼儀作法を重んじ精神修養を促す役割があります。
一方いけばなは花や植物を花器にいけることです。
同じように花を飾って楽しむものとしてフラワーアレンジメントがありますが、これは様々な方向から作品を鑑賞します。
それに対し、いけばなは一定方向から作品を鑑賞します。
華道は流派のしきたり・型を意識して花や植物をいけます。
いけるときは自分の感覚を大切にしますが、花や植物を通して何を感じて行動するかを考える必要があります。
また華道では花や植物の命を尊ぶことを理解する・客をもてなす心は稽古を重ねていくことで磨くことができます。
一方いけばなは、ルールを気にすることなく思うままに花や植物をいけることができることが華道との違いになります。
華道の流派とは?生け花の流派と同じ?
流派とは家元と宗家を中心に構成されています。
家元とはその流派の伝統・流儀を伝承する最高権威を持っている人のことで、血縁による世襲制で受け継がれています。
宗家は一門の中心となる家のことで、当主または本家と呼ばれています。
室町時代に京都・六角堂の僧侶である池坊専慶がいけばなを確立したことで流派が誕生し枝分かれをしながら様々な流派ができたので、華道といけばなの流派は同じようなものであると考えられています。
華道や生け花の主な流派の特徴
華道・いけばなの流派は約300以上あるといわれています。
主な流派の特徴を紹介します。
池坊(いけのぼう)
日本最古の流派で会員数も他の流派より多いため、「池坊の歴史は生け花の歴史」ともいわれています。
他の流派のように名称に「流」はつきません。
綺麗な植物だけを使わず、虫に食われた葉や枯れている枝なども同じであると捉え「美」と「和」を見出すことが生ける心であると説いています。
立花(りっか)・生花(しょうか)・自由花(じゆうか)の3つの技法があります。
基礎や伝統的な生け方からのアレンジなどを学ぶことができます。
嵯峨御流(さがごりゅう)
平安時代に嵯峨天皇が「菊が島」に咲く菊の花を折り、花瓶に挿したことが始まりといわれています。
昔から伝えられてきた伝統を重んじた「伝承花」と植物の美しさを最大限に生かしながら生ける人の思いを表現する「心粧華」の2つの生け方があり、初伝・中伝・奥伝の階級があります。
また仏事・神事・婚礼などのフォーマルな場所での生け方も学ぶことができます。
古流(こりゅう)
儒教の教えを植物で体現することを土台にしていて、植物の美しさや見た目の良さにとらわれるのではなく儒教に基づいた精神世界を表現しています。
江戸前華道流派とも呼ばれていて、江戸時代の様式を現代に伝えている流派です。
明治時代では西洋文化の影響によって衰退しましたが、西洋文化の影響が少ない金沢で復活させたそうです。
季節の植物を使い、高さのある三才型という技法が使われています。
小原流(おはらりゅう)
明治時代に小原雲心(おはらうんしん)が創流しました。
西洋文化が日本に入り、生活スタイルが一変したと同時に西洋の植物も多く入ってきました。
各流派が拒んでいた西洋の華を使い、多くの人に親しんでもらえるように口の広い器・水盤と剣山を使って生ける「盛花」という技法を編み出しました。
未生派(みしょうは)
江戸時代後期に大阪で華道家・未生斎一甫(みしょうさいいっぽ)と未生斎広甫(みしょうさいこうほ)が始めた流派です。
理論的に計算され、隙のない美しさがあるそうです。
直角二等辺三角形を象って生ける技法となっています。
華道といけばな さいごに
華道は植物をいけるだけでなく礼儀作法などを身につけます。
いけばなは自分の思うままに植物をいけて楽しむという違いがあります。
様々な流派がありますが、どれも池坊専慶が確立したものから枝分かれしていったので同じようなものですね。
多くの流派があるので自分のやりたい・合ったものを選んで花や植物をいける楽しみを味わってみてはいかがでしょうか。
♪華道の発祥についてはこちらをご覧いただければと思います。