気温が高くなってくると、様々な虫たちが活動を始めます。
なかでも、蜂は毒針を持っていて種類によっては刺されてしまうと重い症状になる可能性があります。
キャンプやハイキングなど出かけることの増える季節、まずは知ることも大事。
防げることも多くなります。
主な蜂の種類や習性・狙われないための対策・応急処置などを紹介します。
目次
身近にいる蜂の種類と生態や習性
蜂の種類は世界では約20万種、日本では約4,000種以上いるといわれています。
日本で人を刺す蜂は主に3種類あるそうです。
蜂の種類・生態・習性
- ミツバチ
体の長さが約12~13mmあり、丸っこい体・黄色地に黒の縞模様がある・体の表面や脚に長い毛があるという特徴があります。
セイヨウミツバチの体はオレンジがかっていますが、ニホンミツバチの体は全体的に黒っぽくなっています。
【生態】
3~5月頃
育児や巣作りが始まり、女王蜂は毎日約1,000個の卵を産みます。
女王蜂は1つの巣に1匹だけしかいられないので、別の巣を作る分峰が行われます。
7~8月頃
育児が一段落するので、蓄えた蜜を食べて過ごします。
9~10月頃
増殖を始め、越冬するための食糧の貯蓄をします。
オオスズメバチの襲撃を受けることがあるそうです。
11~翌2月頃
貯めておいた食糧を消費しながら、体を寄せ合うことで熱を発生させる蜂球(ほうきゅう)をして冬を越します。
【習性】
大人しい性格なので、手で払う・巣に刺激を与えるなどをしなければ攻撃はしてきません。
- アシナガバチ
全体的に細身で、長い後ろ脚をぶら下げて飛ぶという特徴があります。
腹部に黄色い模様が2つあるフタモンアシナガバチ、黄褐色の頭に外側が黒い胸のあるセグロアシナガバチ、黒い体に黄色の縞模様のあるコアシナガバチなどがいます。
【生態】
4~6月頃
女王蜂が冬眠から覚め巣を作り、卵を産みます。
働き蜂が誕生することで巣が大きくなっていきます。
7~8月頃
巣の大きさや攻撃性がピークになり、働き蜂たちは食糧を集めるために飛び回ります。
9~10月頃
新しい女王蜂が誕生します。
11~翌3月頃
新しい女王蜂はオスの働き蜂と一緒に巣を出て、別の場所でオスの働き蜂が巣作りや食糧を探します。
オスの働き蜂は交尾後、前の巣に戻り女王蜂とともに生涯を閉じます。
新しい女王蜂は、石の隙間や枯れ葉の下など暖かい場所を探して越冬します。
【習性】
ミツバチと同じく大人しい性格なので、刺激を与えない限り攻撃することはありません。
公園や市街地など、身近な場所で巣を作ることがあります。
- スズメバチ
日本にいる蜂の中では最も体が大きく、体長は女王蜂が約5cm、働き蜂が約3cmあるといわれていて、オオスズメバチ・ヒメスズメバチ・キイロスズメバチ(ケブカスズメバチ)などの種類がいるといわれています。
本州ではオレンジ色の大きな頭と黒い胸・腹部に褐色と黄色の縞模様のあるコガタスズメバチ、黄色い腹部に黒い縞模様があり、体の表面が毛で覆われているキイロスズメバチを見かけることが多いです。
【生態】
4~5月頃
女王蜂が目覚め約1ヶ月、巣作りや産卵・幼虫の世話などを行います。
6~7月頃
働き蜂が誕生することで、巣が大きくなるスピードが速くなります。
8~10月頃
巣の大きさや攻撃性がピークとなり、凶暴性が強くなります。10月頃に新しい女王蜂が誕生します。
11~翌3月頃
働き蜂が死に、新しい女王蜂は巣を出て越冬します。種類によっては、12月頃まで活動するスズメバチがいます。
【習性】
攻撃性が非常に強いので、近づいただけでも攻撃してくる種類もいます。巣を見つけても、絶対に近寄らないでください。
蜂に狙われないための対策は?蜂の好む色や匂い
- 服装
肌を露出しない長袖の服、長ズボンを着用する。
スカートは長くても脚の周りに空間ができるので虫除けとしては不向きです。
- 色
蜂は黒っぽい色や濃い色に反応するので、山などに行くときはやめましょう。
また、黒い髪や瞳に攻撃する可能性が高いので、帽子を被る・目の周りを隠すようにしましょう。
- 匂い
蜂は花の香りや香水・制汗剤・ジュースやお菓子などの甘い物に近寄ってくるので、注意が必要です。
また汗にも反応することがあるので、こまめに汗を拭き取ることも大切です。
蜂に刺されたら?症状と応急処置
応急処置
- 身を低くして蜂を刺激しないように、そっと離れる。
- 傷口を強く縛ってから水で良く洗う。
- 水で傷口を冷やす。
- 抗ヒスタミン軟膏、またはステロイド軟膏を塗る。
救急車が必要な症状
以下の症状が出た場合は、すぐに救急車を呼ぶようにしてください。
- 発疹や吐き気・呼吸困難などの症状が数十分以内に出た。
- 目を刺された。
- 前に蜂に刺されたことがあり発疹や吐き気などの症状が出た、またはショック症状が起きた。
- たくさん刺された。(首や頭・顔・心臓に近い所は要注意)
前に蜂に刺されたことがある人
発疹や吐き気などの症状が出なくても、必ず医療機関を受診してください。
身近な蜂の驚異 さいごに
蜂は種類によっては、農作物の成長を手助けしてくれます。
しかし、猛毒を持ったスズメバチもいますので、むやみに近づかないようにしましょう。
もし蜂の巣を見つけても自分で処理せずに、役場や専門業者に相談してください。