鳥居と同じように狛犬にも日本三大狛犬がいるといわれています。
日本三大狛犬とは、どの神社にいるどんな狛犬なのでしょうか?
日本三大狛犬のことを調べてみました。
また世界にも狛犬のようなものがあるといいます、それについても気になります。
狛犬に関する昔話などもご紹介します。
目次
是非みておきたい日本の三大狛犬
日本三大狛犬とは、出雲式狛犬・浪花式狛犬・江戸式狛犬のことをいいます。
これは、ある研究者が、狛犬の形式は出雲式・浪花式・江戸式の3つの文化圏に分けられると言っているからだそうです。
出雲式狛犬
島根県で産出される来待石(きまちいし)で造られた狛犬です。
江戸時代中期に北前船で日本海沿岸各地へと運ばれるようになりました。
幕末になると、大阪の石工たちが出雲式狛犬を真似て和泉砂岩(いずみさがん)や花崗岩(かこうがん)で造るようになりました。
明治時代になると、鉄道の発達によって広く流通するようになりました。
島根県松江市周辺の神社や愛知県知多郡美浜町にある冨具神社(ふぐじんじゃ) .で見ることができます。
浪花式狛犬
軟らかく彫り易い和泉砂岩を使って、大阪西横堀と堺の石工たちによって造られた狛犬です。
大阪市内で奉納されていましたが、徐々に奈良県や京都府へと販路を広げ和歌山県・三重県・愛知県西部まで運ばれるようになりました。
また、北前船の帰り荷として北九州や日本海沿岸各地・北海道にも運ばれていました。
大正時代まで盛んに造られていましたが、原石の供給が止まったことで造られることはなくなりました。
大阪の神社や三重県桑名市にある春日神社で見ることができます。
江戸式狛犬
詳細は不明ですが、目は少し小さめ・耳は伏せ耳・カールした顎髭があるという特徴があります。
東京都内の神社で見ることができます。
世界にもある?狛犬のようなもの
狛犬は、古代オリエント時代に権力の象徴であるライオンが起源であるといわれています。
世界には、様々な狛犬がいます。
日本には、香港・韓国・台湾・タイ・インド・ミャンマーなどの狛犬を一同に見られる「冨士仏舎利塔平和公園」があります。
富士仏舎利塔平和公園
1964年、スーパーマーケット・三徳の社長で御殿場市出身の堀内定良氏が私財を投じて作った公園です。
日本山妙法寺や日本庭園があり、仏舎利塔にはインドのジャワハルラール・ネルー首相から贈られた仏舎利が納められています。
富士山の眺めが良いため、箱根観光の途中で立ち寄るスポットとなっています。
また、桜の名所にもなっているそうです。
【住所】静岡県御殿場市東田中3422
【営業時間】9:00~17:00
【休園日】なし
【電話番号】0550-82-0350
URL:https://gotemba.jp/heiwakouen/
狛犬に関する日本昔ばなしや神話
狛犬に関する日本昔話を集めてみました。
吠えた狛犬
奈良県磯城郡田原本町の昔話です。
池神社に木で造られた狛犬が置いてありました。
ある晩、泥棒が狛犬を盗み出しました。
逃げる途中、ウコギの大木にたどり着いたとき狛犬が突然吠え出しました。
驚いた泥棒は狛犬を放り投げて逃げていきました。
不思議な狛犬
石川県金沢市の昔話です。
ある吹雪の夜、お寺に老人が小さな孫を連れてきました。
孫がオオカミ襲われてケガをしてしまい、このままではオオカミに狙われてしまうとのことでした。
老人は寺に置かれている狛犬が守ってくれるという言い伝えを信じて逃げてきたと、和尚さんに訴えました。
和尚さんは言い伝えを信じていませんでしたが、孫を預かり老人を帰宅させました。
その晩、血の匂いを嗅ぎつけたオオカミの群れが寺の周りを取り囲み、唸り声とともに襲ってきました。
もはやこれまでと覚悟を決めたとき、孫が「こまいぬさま」と叫んだときに、狛犬が獅子のようにオオカミの群れに飛び込み、噛み殺していきました。
夜が明け、和尚さんが恐る恐る外に出てみると、数多くのオオカミの死骸が散らばっていて、口を血で染めた狛犬が朝日に照らされていたそうです。
現在は金沢市の三河神社に安置されています。
大判小判をはき出す狛犬
広島県の民話です。
あるところに心優しい長者が住んでいました。
その長者が亡くなり、その家を母親と2人の兄弟が守ることになりました。
長男が継ぎましたが、自分以外の者がご飯を食べるのを嫌がったため、たくさんいた下男・下女をクビにしました。
そのうち家は貧乏になり、長男は母親と次男に辛く当たるようになりました。
困った次男は母親を連れ、家を飛び出し下男として働いていた作じいさんを訪ねました。
そこで次男は母親に楽をさせようと、朝から晩まで働きました。
ある晩、次男を起こす声がして目を覚ますと金色に光る神様が現れました。
そして、「明日の朝、入れ物を持って金噴き明神の広場へ行きなさい。」と告げ、消えてしまいました。
翌朝、次男は大きなカゴを持って、神様が言っていた金噴き明神の広場へ行ってみました。
しかし、誰もいなかったので帰ろうとすると、「ここじゃ、ここじゃ」という声が聞こえてきました。
声のする方をみると、大きな石の狛犬が置いてありました。
次男がその狛犬に近づくと、「ワシの頭を3回さすって、「金出ろ、金出ろ」と言えば、口から金を出してやる。
そして、カゴがいっぱいになる前に、もう1回さすれ」と言いました。
次男が言われたとおりに、狛犬の頭を3回さすって金出ろ、金出ろと言ってみたら、「ウォン」と一声吠えた途端に口から大判小判がたくさん出てきました。
持ってきたカゴが大判小判でいっぱいになりそうになったのを見て、次男は狛犬の頭を1回さするとカチッと口が閉じて大判小判が出てこなくなりました。
次男はカゴいっぱいの大判小判を持ち帰り、母親と作じいさんに見せ出来事を話しました。
そして、狛犬から貰った大判小判で立派な屋敷を建て、母親と作じいさんに楽をさせることができました。
ウワサを聞きつけた長男は、次男から金を出す狛犬の話を聞きました。
そこで長男は大きな樽を抱えて狛犬の所へ行き、次男から聞いたとおりに狛犬から金を出させました。
長男は樽いっぱいの大判小判を手に入れましたが満足せず、もっと大判小判を手に入れようと閉じた狛犬の口を無理矢理開こうと手を入れました。
すると狛犬はギロリと長男を睨み、長男の手が入ったまま口を閉じてしまいました。
驚いた長男はなんとかして、手を狛犬の口から引き抜いて家に戻りました。
そして樽の中を見ると大判小判は石ころに変わっていました。
日本の三大狛犬と世界の狛犬 さいごに
狛犬は大きく分けて、出雲式・浪速式・江戸式の3つになります。
ハッキリとした日本三大狛犬はありませんが、これら3種類の狛犬は日本各地で見ることができるので探してみてはいかがでしょうか。
♪ 狛犬の起源や歴史はこちらをご覧いただければと思います。
狛犬はいつからある?起源は?なぜ狛犬というの?名前の由来や歴史について