博物館は博物館法では「登録博物館」・「博物館相当施設」・「博物館類似施設」、設置・管理者では「国立博物館」・「公立博物館」・「私立博物」などと、いろいろな方法で分類されます。
中でも展示内容による分類が、分かりやすいのではないでしょうか。
展示内容での分類について紹介します。
展示内容で分類/美術系と歴史系博物館
博物館は展示内容で分類すると大きく分けて「人文科学系」と「自然科学系」の2つになります。
さらに細かく分類すると「人文科学系」では「美術系」と「歴史系」、「自然科学系」では「自然史系」と「理工系」に分けられます。
ここでは「美術系」と「歴史系」の博物館について紹介します。
美術系博物館
絵画や工芸・彫刻の他に漫画やアニメを含めた美術品や芸術作品を中心に展示している博物館です。
中には1人の芸術家や漫画家のアトリエを再現したものや企業の創業者がコレクションを展示している博物館もあります。
【主な美術系博物館】
- 東京国立近代美術館(東京都)
1952年に東京都中央区に日本初の国立美術館として開館しました。
明治時代後半からの絵画や彫刻・水彩画・写真などの美術品を収蔵しています。
1969年に千代田区に本館が移転しました。
- 国立工芸館(石川県)
1977年に東京千代田区で開館した工芸館を、石川県金沢市に移転させ2020年10月25日に「東京国立近代美術館工芸館」として開館しました。
開館当時通称であった「国立工芸館」を2021年4月1日に正式名称に変更となりました。
約4,000点の工芸・デザイン作品を収蔵しています。
- 京都国立博物館(京都府)
1897年5月に、明治維新以降経済的な基盤を失った寺院や神社の文化財を保護する目的で開館しました。
京都の文化を中心とした、国宝や重要文化財など約6,600点の作品を収蔵しています。
歴史系博物館
歴史をテーマとした博物館で、古代から現代までの移り変わりを展示している博物館です。
郷土資料館や民俗館・文学館なども歴史系博物館に該当します。
【主な歴史系博物館】
- 横浜開港資料館(神奈川県)
1981年に、1972年まで使われていた旧イギリス領事館に開館しました。
約250,000点の横浜の歴史や文化・経済などの資料を収蔵しています。
- 神戸市立博物館(神戸市)
1982年に、1935年に建てられた横浜正金銀行(よこはましょうきんぎんこう)神戸支店の建物に開館しました。
「国際文化交流-東西文化の接触と変容」を基本テーマに、国宝や考古学資料・古地図・美術品・神戸ゆかりの芸術家の作品等、約5万点を収蔵しています。
- ちちぶ銘仙(めいせん)館(埼玉県)
2002年1月に、1930年に建てられた旧埼玉県秩父工業試験場を改築して開館しました。
秩父銘仙に関する資料の展示や染め織り体験などを行っています。
銘仙とは、よりをかけに糸で織る、目の粗い絹布のことです。
自然史系博物館には何がある
自然系博物館とは自然の姿を明らかにして、その原因と体系を歴史的に理解し、現在と未来のあり方に貢献するための施設です。
【主な自然史系博物館】
- 神奈川県立生命の星・地球博物館(神奈川県)
1995年3月に神奈川県立博物館の自然史部門が独立し、「46億年前の地球誕生から地球の未来を考える」をテーマとして開館しました。
地球内部の構造や宇宙との関わり、巨大な恐竜の骨格標本をはじめとする動物や昆虫・植物などの標本などが展示されています。
- 和歌山県立自然博物館(和歌山県)
植物や生物・地学など自然科学に関する資料の収集・展示・研究などを目的とした博物館として1982年に開館しました。
約550種類の水生動物の展示や化石や鉱物などの標本や昆虫や動物の標本などで和歌山県の自然を紹介しています。
理工系博物館はどんなもの
科学や理工・天文学などの資料を展示した博物館です。
【主な理工系博物館】
- 日本科学未来館(東京都)
2001年7月9日に、「科学技術を文化として捉え、社会に対する役割と未来の可能性について考え、語り合うための、すべての人々にひらかれた場」という理念のもとに開館しました。
最新テクノロジーや地球環境・宇宙の探求などを現在の科学技術で体験することができます。
- 大阪市立科学館(大阪市)
大阪市制100周年事業として、1989年に開館しました。
「宇宙とエネルギー」をテーマとして、子どもから大人まで科学を楽しめるようになっています。
スタッフによる実験ショーを毎日開催しています。
博物館をわかりやすく分類 さいごに
いろいろな博物館がありますが、大きく分けて「人文科学系」と「自然科学系」の2種類になります。
興味のある博物館がどの分野に該当するかの参考にしてみてください。