歩道に線や点の突起がつけられた黄色いブロックが埋め込まれていることがあります。
このブロックは「点字ブロック」と呼ばれています。
視覚障害のある方などには安全に歩行するために必要な大事なものなんですね。
知っているようでよく解っていないもののひとつ。
点字ブロックの役割や種類・歴史などを調べてみましたのでご紹介します。
点字ブロックとは?その役割から理解
点字ブロックとは線や点などの点字を表示したブロックで、歩道や危険な場所・注意する必要がある場所などに埋め込まれています。
これは視覚障害者が安全に移動するためという役割があります。
突起を足の裏や白杖で確認することで、進む方向が分かったり、危険な場所がわかるようになっています。
点字ブロックの種類はいろいろ 特徴は?
点字ブロックには、線状ブロックと点状ブロックの2種類があります。
線状ブロック
線状の突起が縦に4本並んでいて、「誘導ブロック」とも呼ばれています。
視覚障害者が線状の突起を足の裏や白杖で確認することで、進む方向が分かるようになっています。
主に歩道に使われています。
点状ブロック
点状の突起が25個並んでいて、「警告ブロック」とも呼ばれています。
主に階段や横断歩道・案内板・障害物の前、誘導ブロックが交差する分岐点、駅のホームの端など、危ない場所や注意する必要がある場所に使われています。
- 内方線付き点状ブロック
点状ブロックに線状の突起を1本加えたブロックで、駅のホームに設置されています。
線状の突起がある方向が、ホームの内側で安全であることを意味しています。
視覚障害者がホームから転落しないように新しく考案されました。
- 点字ブロックが黄色になっている理由
1985年、旧建設省の指針で点字ブロックは原則として黄色となっていました。
周囲の路面や床の色に差をつけて視覚障害者でも分かるように黄色にしたという理由があります。
しかし、点字ブロックを黄色にしていなくても罰則がないため、コントラストがハッキリしない点字ブロックが設置されているという問題があります。
- 点字ブロックの設置方法
- 溶融式
溶融型材料を専用機械で、路面に接着させます。
1日で行える量が多いので通行止めにする時間を短縮することが出来ます。
しかし専用機械が高い・JIS規格通りにできないなどの欠点があります。
- 埋め込み
新しく舗道を作るときや舗装の1部を切り取った部分に点字ブロックを埋め込みます。
コンクリート製が主流となっていますが、セラミックや磁器タイルなどがあります。
埋め込んであるため剥がれる心配はありませんが、マンホールの上には設置できない・既にある舗装に埋め込む場合は費用と時間がかかるという欠点があります。
- シート式貼付け
合成ゴムや樹脂で作られた点字シートの裏に粘着剤を塗って貼り付けます。短期間で設置することが出来ますが、劣化が早い・剥がれやすいという欠点があります。
- シート式不織布貼付け
舗装面に下地塗料を塗ってから、不織布付き点字シートを貼り付けます。
剥がれにくいのですが、気温によって硬化時間に違いがでてくるという欠点があります。
点字ブロックが誕生した歴史
点字ブロックは1965年、旅館を経営している三宅精一氏が発明しました。
1967年3月18日、岡山県立盲学校近くにある旧国道2号・岡山市中区原尾島交差点の横断歩道周辺に設置されたのが始まりといわれています。
その後、大阪府や京都府へと広まっていきました。
1970年、大阪府立盲学校の教職員からの要望で阪和線我孫子町駅のプラットホームに点字ブロックが設置されました。
東京道路局が点字ブロックを導入したことで、日本全国へと広まっていきました。
点字ブロックは注意を促すための点状ブロックだけでしたが、1974年に「道路における盲人の歩行誘導システム等に関する研究委員会」が設置され、方向を示す線状ブロックが新たに考案され点字ブロックは2種類になりました。
しかし、点と線の形状が違うものがあったため分かりにくいという問題が出てきました。
そこで旧通産省の製品評価技術センターが検討を行い、2001年にJIS規格として最適な形状が作られました。
点字ブロックは日本だけでなく、世界各国でも広まっていきましたが国ごとに形状や設置方法に違いがあったため、2012年に日本の点字ブロックが国際標準規格になりました。
点字ブロックとは?種類や歴史 さいごに
点字ブロックは視覚障害者が危険な場所に行かない、安全に移動するための手がかりとなる重要な物です。
しかし重要であるということが理解されていないため、点字ブロックの上を歩く・自転車や荷物が置かれていることが多いです。
点字ブロックの重要さを再確認して、視覚障害者の人たちが安全に移動できるようにしましょう。