ヘルプマークは赤に白い十字とハートマークが入っていて、カバンに下げることができるようになっています。
電車やバスなど乗り物でもよく見かけるようになったヘルプマークとは、どんな意味があるのでしょうか。
健康そうな人でもつけているのを見かけます。
ヘルプマークの本来の意味やつける条件、そして配布方法などを紹介します。
ヘルプマークの本来の意味
ヘルプマークには、義足や人工関節を使用している人や身体の中に障害や難病を持っている人・妊娠初期など、健康な人に見えても援助や配慮を必要とすることを周囲の人たちに知らせるという意味があり、2012年から運用が始まりました。
ヘルプマークの歴史
2012年、東京都議会議員の山加朱美さんがヘルプマークを提案しました。
山加さん自身、人工関節を入れていますが外見では普通に見えるため援助や配慮をして貰うことができないことが多かったそうです。
そこで一目で助けが必要となることを知ってもらう、または理解して貰うためにシンボルマークを提案したのが始まりといわれています。
2012年3月に採択され、同年12月に運用が始まりました。
2019年7月には案内図記号のようにJISに追加され、全国共通のマークとなりました。
認知度は約50%となっています。
ヘルプマークの正しい貰い方
- 入手できる場所
市役所や区役所の福祉課で配布されています。
自治体によっては、保健センターや障害者支援センター・市民センター・病院などで受け取ることができます。詳細は住んでいる自治体のサイトなどで確認してください。
- 入手方法
東京都では提出する書類がなく、申し出れば誰でも貰うことができます。
他の自治体では、ヘルプマーク交付申請書の提出が必要になることもあるので事前に確認してください。
- 直接入手できない場合
入手できる場所へ行くことができない場合は、郵送して貰うことができます。
自治体によっては、添付書類が必要となることがあるので、住んでいる自治体のサイトで確認してください。
ヘルプマークはどんな人に配布?
ヘルプマークの対象者は、以下のような状態になっている人たちです。
- ヘルプマーク対象者
- 義足や人工関節を使っている人
- 身体の中部での障害や持病を持っている人
- 妊娠初期 など一見健康な人に見えても、障害や配慮を必要としている人たちがヘルプマークを所持する対象者となります。
- ヘルプマークを付けている人を見かけた場合
ヘルプマークを付けている人を見かけたら以下のような行動をしてください。
- 電車・バスの場合
健康体に見えていても、疲れやすい・つり革につかまり続けるなど同じ姿勢を保つことが難しい人がいます。
また外見では優先席に座っていると不審な目を向けられることでストレスを感じることがあります。
ヘルプマークを付けている人を見かけたら、席を譲るようにしましょう。
- 駅や商業施設の場合
交通機関での事故や突発的な出来事に対して、臨機応変対応することが難しい・立ち上がることや歩く・階段の上り下りなどの動作が難しいことがあります。
そういう場合は、声をかけてあげてください。
- 災害時の場合
健康体に見えていても、視覚や聴覚に障害がある・状況把握が難しい・肢体に障害があることで、自力で迅速な対応ができないことがあります。
安全な場所へ避難するための支援をしてあげてください。
- ヘルプマークの不正使用
ヘルプマークは、外見から障害や配慮が必要となることが分からないことを知らせるためという意味があります。しかし、中には可愛いからという理由でアクセサリーとして付ける・ナンパ目的など、ヘルプマークを悪用するケースがあります。
また、貰ったヘルプマークをフリマサイトで販売されていることがあります。
【実際にあったヘルプマーク不正使用】
- 優先席の占有
具体的な支援の必要性について説明をせず、問いかけに対してもヘルプマークをさすだけで、優先席を占有している人がいたそうです。
- 金銭要求
ヘルプマークを見せ、障害を持っていて困っていると通行人に金銭を要求していたとの報告がありました。
- 特別扱いを要求
ヘルプマークを提示して、予約なしで優先席の案内や長い行列を飛ばすなどのサービスを要求するという報告がありました。
ヘルプマークについて さいごに
ヘルプマークは外見では分からない障害や支援して欲しいことを知らせるために作られました。
しかし残念ながら、ヘルプマークをアクセサリーや不正使用する人がいます。
ヘルプマークには、どんな意味があるのかを確認して、正しく使われることを願うばかりです。