寿司や刺身・うどん・そばなどの和食を食べるときに必要となるのが箸です。
一見簡単そうに見えますが、使い慣れていない人にとっては難しいと思うのではないでしょうか。
なぜ日本人は箸を使うのか、飲食店でカトラリーと呼ばれる食器類に箸は含まれるのか、カトラリーの歴史などを紹介します。
日本人はなぜ使うのが難しい箸を使う?
どうして日本人が箸を使うのかには、いくつか諸説があります。
- その1
五穀豊穣や子孫繁栄の祈りを込めて、神様と人間がともに食するための神聖な道具である。
- その2
聖徳太子が随から使節団が来ると聞き、「手づかみで食事をしていたら馬鹿にされると」考え箸を使うことを勧めた。
- その3
粘り気のある日本の米を食べるのに適している。
- その4
箸1つで、
- つまむ
- はさむ
- 押さえる
- すくう
- 割く(さく)
- のせる
- 剥がす
- 支える
- くるむ
- 切る
- 運ぶ
- 混ぜる
などが、手や指のように扱える「第2の器官」として使えて便利である。
箸はカトラリーに含まれる?
カトラリーとは、食事用のスプーンやナイフ・フォークの総称です。
日本ではカラトリーと呼ぶこともありますが、これはカトラリーの語順が間違って広まってしまったのが原因だといわれています。
そのためカラトリーと呼んでいる人が多く、通販サイトでもカトラリーとカラトリーを併せて載せていることがあります。
箸も食事をするときに使う食器であることから、カトラリーに含まれます。
カトラリーの起源と歴史
ナイフ・フォーク・スプーンが使われるようになったのは19世紀頃であるといわれています。
また中世ヨーロッパでは「指は神が与えた優れた道具である」という宗教観があったため、食事は手づかみが一般的でした。
ナイフ・フォーク・スプーンのそれぞれがいつ頃から使われるようになったのかを紹介します。
[quads id=1]
- ナイフ
12世紀頃から大きな肉を切り分けるために1本だけテーブルに用意され、手づかみで食事をしていました。
各自が食事でナイフを使うようになったのは15~16世紀からです。
- フォーク
11世紀のイタリアでパスタを美しく食べるために使われるようになりました。
食事でフォークを使うことが広まったのは17世紀頃だといわれています。
- スプーン
古代ヨーロッパから使われていましたが、当時は食器ではなく料理や化粧・医療の道具でした。
食器として使われるようになったのは、14~15世紀でしたが高価なものだったため財産として保管することが多かったそうです。
カトラリーの素材
カトラリーに使われている主な素材を紹介します。
- 純銀
表面の輝きと抗菌性に優れていますが、錆びやすいためこまめな手入れが必要です。
【手入れ】
純銀製のカトラリーの手入れには、いくつか方法があります。
- クロス
変色防止の薬剤が染み込ませてあるクロスで、拭くだけでピカピカになります。
- 液体クリーナー
メーカーで指定されている水量で液を薄めて浸け置きにしてから、しっかりと水洗いして乾いた布で拭き取ります。1度にたくさんのカトラリーを洗う、変色部分が大きい場合などに使うと便利です。
[quads id=1]
- 塩とアルミホイル
- 鍋で水を沸騰させてから、塩(小さじ1)とアルミホイル(手のひらサイズ)を入れます。
- 再沸騰させてから純銀製カトラリーを入れ数分間置きます。
- キレイになったら取り出し、しっかりと水洗いします。
- 乾いたクロスで拭き上げたら終了です。
- 重曹とアルミホイル
- 鍋に水(1リットル)を沸騰させ、重曹(大さじ1)とアルミホイル(手のひらサイズ)を入れます。
- 再沸騰させてから、純銀製カトラリーを入れます。
- お湯が完全に冷めたら取り出し、しっかりと水洗いをします。
- 乾いたクロスで拭き上げたら終了です。
- ステンレス
耐久性に優れていて、錆びにくいため良く使われています。
- アルミ
軽くて毒性もないため、誰でも安心して使えます。
- ホーロー
金属の表面にガラス質の釉薬を焼き付けたもので、金属の強度とガラスの光沢を持ち合わせています。
- 木
軽くて断熱効果があり、コーティングが施されているものありますがシミや傷がつきやすいものもあります。
日本人はなぜ箸を使う? さいごに
日本人が箸を使うようになった理由には、いくつか諸説ありました。
カトラリーはナイフやフォークなど食事の時に口へ運ぶための食器のことをいうので、箸も該当します。
カトラリーの歴史はまだまだ浅いですが、食事に欠かすことのできないものなので大切に使いましょう。