赤ずきんやシンデレラをはじめとする童話は世界中にありますが、いつどこで誕生したのでしょうか。
また日本には昔から語り伝えられてきた昔話がありますが、いつどこで誕生し、どんな特徴があるのでしょうか。
童話の歴史や日本昔話の歴史や特徴などそして昔話の種類など気になったことを調べてみました。
童話の発祥はいつどこで?童話の歴史
1番古い童話は、古代ギリシャの寓話作家・アイソーポスが書いた「イソップ寓話」です。寓話とは教訓を盛り込んで作られた物語のことで、どうすれば平穏な人生を送ることができるかを教える内容になっています。
「ウサギとカメ」、「北風と太陽」、「金の斧」などがあります。
1697年には、詩人で作家でもあるフランス人のシャルル・ペローが「ペロー童話集」を出しました。
「ペロー童話集」は、昔から語り伝えられた物語を童話にしたもので「シンデレラ」や「赤ずきん」、「青ひげ」、「長靴をはいたネコ」などがあります。
1812年、ドイツの民話収集家・グリム兄弟が「グリム童話」の1巻、1815年には2巻を出しました。
「グリム童話」はドイツとその周辺で集めた昔話を再編したもので「ラプンツェル」や「カエルの王様」、「ヘンゼルとグレーテル」、「ブレーメンの音楽隊」などがあります。
1835年、デンマークのハンス・クリスチャン・アンデルセンが「童話集」を出しましたが評判は良くありませんでした。
当時、童話というジャンルが認められていない状態で、どうして子どもだましみたいな作品を書くのかといわれていました。
しかし、田舎へ旅行したときに子どもたちが自分の書いた童話を呼んでいることを知り、童話を書き続けました。
日本では1918年、小説家であり児童文学者である鈴木三重吉が中心となり童話と童謡の雑誌「赤い鳥」を出しました。
「赤い鳥」には、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」や「杜子春」、新美南吉の「ごん狐」などが掲載されていました。
他にも小川未明の「金の輪」や「赤い蝋燭と人魚」、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」や「注文の多い料理店」などが発表されています。
日本の昔話の誕生や起源は?
昔話とは、以前の出来事や経験を語り伝える物語です。
日本で1番古い昔話は「竹取物語」であるといわれています。
「竹取物語」の作者は不明で9世紀後半から10世紀前半あたりに成立したそうです。
現在の日本昔話と呼ばれている元を作ったのは民俗学者の柳田国男で、全国を旅して行事や昔話・伝承などを集め本にまとめました。
代表作として「遠野物語」や「日本の昔話」、「禁忌習俗事典」などがあります。
日本の昔話の特徴や種類
日本の童話というと日本昔話があります。
日本の昔話にはどんな特徴があるのでしょう。
なんだか日本独特の感覚みたいなものを感じます。
日本昔話の特徴
日本の昔話には以下のような特徴がありました。
- 悪いことをすると自分に返ってくる
「さるかに合戦」では、カニが育てた柿をさるが取って食べカニには青くて固い実をぶつけていました。
結果として、カニの仲間たちに懲らしめられてしまいます。
悪いことをするより、徳を積みなさいという教訓が込められています。
- 行動次第で道は開ける
「こぶとりじいさん」では、優しいおじいさんは鬼の宴会に参加し踊って鬼たちを喜ばせたことでこぶを取って貰いました。
一方、悪いおじいさんも鬼の宴会に参加しましたが踊っても鬼たちを楽しませることができず、こぶをつけられてしまいます。
何事も楽しむことができれば、良い方向へ道は開けるという教訓が込められています。
日本昔話の種類
代表的な日本昔話には以下のような物語があります。
- 桃太郎
桃から生まれた男の子が、おばあさんが作ってくれたきび団子を持ってイヌ・サル・キジを仲間にして鬼退治に行く。
- 鶴の恩返し
男が山で罠にかかった鶴を助ける。
ある日、道に迷った美しい娘が男の家を訪ね泊めて貰います。
娘が織物を作るため部屋に籠もるが、中は覗かないようにと頼むが…
- 笠地蔵
おじいさんが新年食べるための餅を買うために、笠を売りに行くが売れなかった。
帰る途中に雪をかぶった地蔵を見つけ、雪を払い被せて帰る。
夜中、家の外で物音がし何事かと外を見れば…
童話の誕生と歴史 さいごに
童話は古代ギリシャの寓話から始まり、グリム童話やアンデルセン童話が誕生しました。
日本でも鈴木三重吉が中心となって作られた雑誌によって童話が広まっていきました。
日本の昔話は、柳田国男が集めてまとめたことによって知ることができるようになりました。
日本の昔話には、教訓となる話が多いので改めて読んでみてはいかがでしょうか。