住んでいる部屋の近くで雀をよくみかけます。
時には藁のようなものや枯れた草?などを運んで屋根に飛んで行ったり、目の前の空き地を歩いていたり。
日本に生息している雀には2種類いるそうです。
また雀の巣は縁起が良いといわれていますが、飼育はNGだそうです。
なぜでしょう?雀の種類や雀の飼育が禁止となっている理由などを調べてみました。
日本の雀の種類は2種類!違いは?
雀はスズメ目スズメ科スズメ属の鳥で、市街地や農耕地など人がいる場所に生息しています。
日本に生息している雀の種類には、スズメとニュウナイスズメの2種類がいます。
違いをみてみます。
スズメ
1年中同じ地域に住んでいる留鳥(りゅうちょう)で、主に市街地や農耕地など人がいる日本全国に生息しています。
大きさは約15cm・体重は約30gで種子や虫・パン屑などを食べています。
繁殖期は3~8月で年に2回産卵するといわれています。
寿命は約2年で、オス・メスともに頭部には赤茶色、背中は褐色、翼には細い白帯が2本あります。
チュンチュンと鳴きますが、チュンまたはジジなど様々な声で鳴くこともあります。
スズメが人のいる場所を選ぶのは、天敵であるフクロウやタカ・トンビなどの猛禽類から身を守ることができるという理由があるそうです。
鳥は羽についた汚れや寄生虫などを落とすために、水浴び・砂浴びのどちらかをする習性がありますが、スズメは水浴び・砂浴びの両方を1日に1度行うというキレイ好きなところがあります。
ニュウナイスズメ
アジア大陸の温帯に広く分布していて、北で繁殖してから南へ越冬する渡り鳥の1種である旅鳥です。
日本では北海道や中部から北の地方で繁殖してから、関東から南の方へと越冬します。
主に林や森など自然に近い環境を好み、巣を作るそうです。
大きさは約15cm・体重は約25g、穀物や植物の種子や昆虫などを食べています。
寿命は約2年で、オスには頭部と背面に鮮やかな栗色があり、メスには薄茶色で太い黄土色の眉斑があります。
鳴き声はスズメと似たチュンチュンの他にチィー、またはチュピッチュピッとスズメより濁り気味の声で鳴くこともあります。
ニュウナイスズメの由来
ニュウナイスズメという名前の由来には主に3つの諸説があります。
【その1】
スズメにある頬の黒い斑点が無いことから、ホクロの古い呼び方である「斑(にふ)」が無い雀、斑無(にふない)雀が転じてニュウナイスズメになった。
【その2】
その年に収穫した穀物で作った食事や酒を味わうことを新嘗(にわなめ)と呼び、人間より先に食べていることから新嘗雀が訛ってニュウナイスズメになった。
【その3】
平安時代の貴族が、恨みから雀に転生して宮中に入り米を食い荒らしたという伝説から「宮中に入る雀」が入内(にゅうない)となり、ニュウナイスズメになった。
雀の巣は縁起がいい?その理由は
中国では古くから雀は吉兆をもたらす瑞鳥(ずいちょう―めでたいことの起こる前兆とされる鳥のこと)と呼ばれています。
日本でも平安時代に、まれにしか生まれない白雀が聖武天皇や桓武天皇に献上されたという記録がありました。
また雀は、厄をついばむともいわれていて、厄除けや家内安全・商売繁盛の象徴といわれています。
雀は巣を作り、雛を育て巣立った後も、同じ場所に巣を作ることから子孫繁栄をもたらす、同じ場所に巣を作り何度も出入りすることから商売繁盛をもたらす縁起物と呼ばれています。
ちなみに、日光東照宮の「眠り猫」の裏側には2匹の雀が彫られています。
これは「猫が寝ているから雀が楽しく暮らすことができる」という平和の象徴であるという意味があるそうです。
雀の飼育は違法!なぜ?
雀をペットとして飼うことは「鳥獣保護法」の第8条で禁止されていて、違反した場合は1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。
鳥獣保護法とは、日本国内に生息する野生の哺乳類・鳥類の捕獲・飼育の規制、生息環境の保護、個体数の調整、狩猟に関する制度などを定めた法律です。
鳥獣を勝手に飼育や捕獲をしてしまうと、生態系バランスが崩れてしまう危険性があることから、この法律が作られたそうです。
対象になっている鳥はスズメ・ニュウナイスズメをはじめとする28種類、動物はイノシシやシマリスをはじめとする20種類です。
もし、弱っている雀を見つけても保護してしまうと「鳥獣保護法」に違反してしまいます。
見つけた場合は、市役所や町村役場に連絡をして指示に従いましょう。
日本の雀の種類と巣が縁起がいいわけ さいごに
日本で生息している雀の種類はスズメとニュウナイスズメの2種類で、頬にある黒斑の有無が見分ける方法の1つです。
見かけることがあったら雀をよく観察してみるといいかもしれませんね。
傷ついた雀を見つけて手当をしてそのまま飼ってしまうと違法になります。
手当する前、また急な処置が必要だった場合も、傷が癒えたら市役所などに連絡しましょう。