日本には約170の水族館がありますが、いつ誕生したのでしょうか。
また研究によると、水族館に行くことでストレス解消や不安を和らげるなどの癒しを得ることができるそうです。
日本の水族館の歴史や水族館の癒し効果・楽しみ方などを紹介します。
日本の水族館の歴史
1882年、東京に日本初の動物園である上野動物園の一角に「観魚室(うをのぞき)」が開設されました。
しかし、循環濾過装置のない小さな水槽に淡水魚が飼育展示してあるだけのものでした。
本格的な水族館が誕生したのは、1897年にオープンした「和田岬水族館」です。
本格的な循環濾過装置を設置し、約100種類の魚たちを海底や岩場を模したジオラマ風の装飾をして展示していました。
高度成長期では、鉄道会社が都市開発のために水族館を誕生させていきました。
現在は美術舞台やデジタルアートを取り入れた劇場型アクアリウム、探究心をくすぐられるような体験プログラムを取り入れるなど特色のある水族館があります。
水族館の癒し効果とは
2015年、イギリスの国立水族館・プリマス大学・エクセター大学が行った共同研究によると、水族館の展示を眺めることで血圧と心拍数が低下するという結果が出ました。
アメリカの研究によると、人間は1日に約60,000個の物事を考えているといわれています。
その物事の約95%が昨日と同じことを考えていて、そのうち約80%はネガティブな思考であるそうです。
人は、不安や不満があると関連した不安・不満を連想する→不安や不満が溜まると心配やイライラが出てくる→アドレナリンが分泌され、心配が増幅します→さらに興奮するとノルアドレナリンが分泌されイライラが増幅するという悪循環になってしまいます。
この悪循環を断ち切る役割として気分転換があります。
水族館は自然環境に触れる機会のない人たちに「癒し」を体感し、気分転換ができる場になっていると研究者たちが考えているそうです。
水族館では「アクアセラピー」と「アニマルセラピー」の効果を同時に得られる「アクアリウムセラピー」を体感できます。
- アクアセラピー
水に触れる、または見る・水音を聞くなどで心を落ち着かせる方法です。
身近に水を感じることで五感が刺激され、不安やイライラを軽減させる効果があります。
- アニマルセラピー
動物と触れあうことによって癒しが得られ、ストレス解消だけでなく認知症やうつ病などの症状改善にも効果があるといわれています。
- アクアリウムセラピー
アクアセラピーとアニマルセラピーを合わせたもので、大自然の風景を再現した水槽の中で暮らす魚たちを見・水音を聞くことで不安や不満などで蓄積された心配やイライラが解消される効果があるといわれています。
水族館をもっと楽しむには
水族館を楽しむためのポイントをいくつか紹介します。
入園・入館時間帯
水族館で展示されている生物のほとんどは昼行性のため、最も活発に活動する時間帯は朝です。
遅い時間になると隠れ家などに隠れてしまって生物たちを見られない場合があります。
多くの生物たちを見るなら、開園・開館時間直後に行くようにしましょう。
バックヤード見学
水族館によっては、バックヤード見学を行っていることがあります。
水族館で使われている水槽・濾過装置は大きいので見ておく価値はあります。
また普段では見られないスタッフの作業も見られます。
貴重な生物
水族館には種を保存するという役割があり、普段では見られない貴重な生物を展示しています。
水族館によって展示している生物の種類に違いあるので、事前にどんな生物が展示されているかを調べておくと見逃す心配がありません。
水族館でのマナー
水族館で生物を見るときに気をつけておきたいマナーを紹介します。
水槽は叩かない
水族館で展示されている生物たちは、音・振動に敏感です。
そのため、水槽を叩くと生物が驚くだけでなくストレスを与えてしまいます。
写真撮影
水族館では写真撮影の禁止、または写真撮影は可能でもフラッシュを禁止にしていることが多いです。
フラッシュは、強い光を放つので暗い環境に慣れている魚の目を傷つけてしまう危険性があります。
写真撮影をしたいけど、禁止になっているか分からないときは必ずスタッフに確認を取りましょう。
水族館の歴史と効果や楽しみ方 さいごに
水族館で水音を聞きながら、水の中で動き回る静物をみることで不安やイライラを解消する癒し効果があるといわれています。
いろんなタイプの水族館があるので、事前に調べて出かけてみてはいかがでしょうか。