コンテナとは、海上や陸上・航空などの貨物輸送の時に使われている容器のことです。
コンテナは20世紀最大の発明品の1つといわれていますが、いつ誕生したのでしょうか。
コンテナの種類や歴史などを紹介します。
コンテナ とは?意味から詳しく
コンテナとは貨物輸送の時に使われている容器のことで、サイズや形状・強度に種類がありますが工業規格で標準化されています。
そのため、どこのメーカーのコンテナを使っても、入れ替えることなく積み下ろしや海上から航空、航空から陸上、陸上から海上などへの輸送切り替えをすることができます。
中に貨物が入ったコンテナを「実入りコンテナ」、貨物が入っていないコンテナを「空コンテナ」または「空コン」と呼ばれています。
コンテナは種類もいろいろ
コンテナは大きく分けて、ドライコンテナと特殊コンテナの2種類があります。
ドライコンテナ
一般的なコンテナで、主に工業用品や日用品・電化製品・家具・衣類・雑貨・コーヒー豆・ワインなど常温で運ぶのに適しています。
特殊コンテナ
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- リーファーコンテナ
冷凍・冷蔵ユニットが内蔵されているコンテナで、冷凍食品や果物や野菜・肉・魚介類などの生鮮食品・化成品・美術品・医薬品・精密機械などを運ぶのに適しています。
- オープン・トップ・コンテナ
天井のないコンテナで、大型機械や背の高い貨物・ドアから出し入れが難しい鉄コイルなどを運ぶのに適しています。
クレーンを使って貨物を積み入れます。
- フラット・ラック・コンテナ
天井・側面・扉面がないコンテナで、ドライコンテナで積載できない重さや高さのある建設機材やクルーザー船・木材・鋼鉄などを運ぶのに適しています。
- フラット・ベッド・コンテナ
床面だけのコンテナで、大型機械を運ぶのに適しています。
フラット・ベッド・コンテナを連結させて大きな貨物を運ぶこともあります。
- タンク・コンテナ
鋼鉄フレームにタンクを格納してあるコンテナで、原酒や醤油・液体化学薬品などの液体を運ぶのに適しています。
- ベンチレーター・コンテナ
換気・通風装置がついているコンテナで、通風コンテナとも呼ばれています。
庫内を常に換気した状態になっていて、野菜や果物・樹木などを運ぶのに適しています。
ドライコンテナにも換気・通風装置がありますが、簡易的なものなので能力は低いです。
- ペンコンテナ
牛や馬などの動物を運ぶためのコンテナです。
輸送中でも動物たちが生活できるように、通風や給餌・排泄・排水溝などが装備されています。
コンテナの歴史
コンテナが初めて使われたのは、1956年4月26日アメリカのニューアーク港からヒューストンまでの海上輸送でした。
それまでの海上輸送は、沖仲仕(おきなかし)と呼ばれる人たちが荷物の積み下ろしをしていました。
沖仲仕は波止場の近くに住んでいて、朝になると港で斡旋業者から仕事を貰い約60kgの荷物を積み下ろししていました。
海上輸送費用の半分以上は、沖仲仕たち賃金となっていたため、斡旋業者たちは費用を抑えるための人件費をカット・効率を上げるために二交代制にしようとしました。
しかし沖仲仕たちの猛反発にあい、問題解決にはなりませんでした。
そんな時、アメリカの実業家であるマルコム・マクリーン氏が貨物を載せたトラックをそのまま船に乗せて運べないかと思いつき、船会社を買収してコンテナ輸送の準備を始めました。
そして1956年4月26日に初めてコンテナ輸送を行いました。
沖仲仕が積み下ろしをしていたときは船が停泊してから約1週間かかっていましたが、コンテナ輸送では約8時間で積み下ろしが完了しました。
他の船会社もコンテナ輸送を始めようとしましたが、新しい船の導入・コンテナが積めるように改造する・コンテナをたくさん作るなどで莫大な費用がかかるため、なかなか普及しませんでした。
コンテナ輸送が広まったのは、ベトナム戦争がきっかけとなります。
約6万人のアメリカ兵士がベトナムに送られたとき、当時の物流方法では戦争を続けることが難しいことが分かりました。
ベトナムのサイゴン港は水深が浅く貨物船を近づけることができないため、イカダや水陸両用戦車を使って荷物の積み下ろしを行っていましたが効率は良くありませんでした。
ベトナム戦争の報道を見たマルコム・マクリーンがアメリカ海軍大将に直訴し、コンテナ輸送ができるようになったことで広まっていきました。
コンテナとは さいごに
昔の輸送では荷物の積み下ろしが当たり前になっていましたが、コンテナの登場によって荷物の積み下ろすことなく効率良く運べるようになりました。
運ぶ物によって使われているコンテナに違いがあるので、どんな荷物を運んでいるのか想像してみてはいかがでしょうか。