マスクとは顔の一部分を覆い、ウイルスや花粉・ホコリなどを自分の体内に入らないようにするための物です。
様々な場所で使われていて、現在ではコロナウイルス感染予防としてつけることが当たり前となっています。
日本では、いつからマスクが使われるようになったのでしょうか。マスクの誕生や歴史、いつ日本に伝わってきたのかなどを紹介します。
マスクの歴史 日本のマスクはいつ誕生した?
日本のマスクは明治時代に炭鉱で働く人たちの粉塵よけとして使われたのが始まりであるといわれていて、真鍮製の金網を芯として布地をかぶせたものでした。
しかし、1918年に大流行したスペイン風邪を予防する物として注目されるようになりました。
スペイン風邪とは1918年から1919年に20世紀最大規模で世界に大流行したインフルエンザで、全世界で感染者は約5億人、死者は1億人以上といわれています。
1918年3月にアメリカ合衆国カンザス州・ファンストン基地で初の感染者が出て4月にはヨーロッパ西部、7月にはポーランドまで広がりましたが、軽い症状でした。
しかし致死性の高いインフルエンザの存在が確認され、8月に第2波として猛威をふるい発症してから約2日で亡くなる人が多かったといわれています。
第3波は冬におこりましたが、春には終結となりました。
日本での感染者は約2400万人、死者は約40万人といわれています。
当時のポスターには「マスクをかけぬ命知らず!」と書かれ、マスク着用を呼びかけたため、店頭からマスクが消え品不足となりました。
1923年には内山武商店が商標登録第1号となる壽(ことぶき)マスクが発売されました。
その後芯の金網とセルロイドへ、フィルターは木綿のビロードや皮革類を使うなどの改良が行われました。
1934年にインフルエンザが再び猛威をふるったことでマスクが大流行しました。
インフルエンザが流行するたびにマスクの出荷量が増え、時代とともにスタイルも変化して枠がない布地だけのマスクも登場しました。
ガーゼマスクは1950年に誕生しています。
現在の主流となっている不織布のプリーツ型の原型となるマスクは1973年に発売されるようになりました。
1980年代になるとマスクは風邪・インフルエンザ予防だけでなく、花粉症対策として使われるようになり、普及が広まっていきました。
現在では立体マスクも登場し、圧迫感がない・口紅がつきにくいなどの理由で人気となっています。
マスクの誕生はいつどこで?最古のマスクとは
呼吸を保護するマスクの起源は1世紀であるといわれています。
古代ローマの博物学者であるガイウス・プリニウス・セクンドゥスの著書には動物の膀胱を使ったマスクが紹介されています。
ローマの鉱山で働く人を赤い酸化鉛の塵から守るために使われていたそうです。
布製マスクは16世紀にレオナルド・ダ・ヴィンチが船乗りのために考案したといわれていて、きめの細かい布を水に浸してから使っていました。
誕生から現在までのマスクの進化
1879年日本で誕生したマスクは呼吸器と呼ばれていて鉱山で働く人たちの粉塵よけとして使われていました。
1910年後半には皮革類を使った高級品マスクが登場し、スペイン風邪の大流行によって多くの人が買い求めるようになり、名称も呼吸器からマスクへと変わりました。
1940年代ではガーゼマスクが主流となりますが、第2次世界大戦により物資不足のため透けて見えるようなペラペラのガーゼマスクとなりました。
2000年になると、いつでも清潔なマスクが使える使い捨てタイプが登場し主流となりました。
2001年には不織布タイプ、2003年には立体マスクが登場します。
2009年には新型インフルエンザによるパンデミックが発生し、マスクをすることが日常的になります。
また、目元が強調できる・口元を隠せる・温かい・紫外線対策などの理由で「マスク女子」が急速に広まっていきました。
現在ではメイクが落ちにくい立体マスクや細菌やウイルス・花粉・PM2.5などを99%カットできるマスクが登場しています。
マスクの歴史 さいごに
鉱山で働く人たちの粉塵よけとして使われていたマスクは、スペイン風邪の大流行により予防対策として使われるようになりました。
風邪・インフルエンザ予防や花粉対策として使われていましたが、新型コロナウイルスによってマスクは日常生活には欠かすことのできないものとなりました。
マスクは新しい生活様式として、これからも必要となるので自分に合ったマスクで過ごすようにするといいですね。