コーヒーを漢字で書くと珈琲になります。
これは蘭学者の宇田川榕菴(うだがわようあん)が考えたそうです。
宇田川榕庵が考えた珈琲という漢字にはどんな意味や由来があるのでしょうか。
コーヒーが珈琲という漢字になった由来や漢字にまつわる意味、そして珈琲を提供する店にも名前による違いがあります。
喫茶店とカフェの違いなどもご紹介。
目次
珈琲の漢字には意味があった!コーヒーが珈琲になった由来
コーヒーはオランダ語ではkoffie(コーフィー)と読みます。
江戸時代の人たちは、コーヒーをなんとか日本語にしようと可否・可非・黒炒豆など考えてみましたが、どれも広まることはありませんでした。
蘭学者の宇田川榕庵がコーヒーを珈琲で漢字表記することを考えしました。
珈は音読みでは「カ」、訓読みでは「かみかざり」と読み、かみかざりという意味があります。
琲は音読みのみで「ヒ」・「ハイ」と読み、玉を連ねたかみかざりという意味があります。
この2つの漢字を並べると玉を連ねたかみかざりという意味になります。
これはコーヒーの木に実る赤い実が1本の枝にまとまっていて、まるで赤い玉が連なったかみかざりのように見えることから「珈琲」という言葉を考案しました。
宇田川榕庵は珈琲だけでなく、元素名の酸素・水素・窒素・炭素、化学用語の元素・金属・還元・溶解・試薬・酸化、日常用語の温度・沸騰・蒸気・分析・物質・法則・圧力・結晶・成分という言葉を考案しています。
喫茶店とカフェの違いは食品衛生法による?
コーヒーが飲める代表的な店といえば喫茶店とカフェがあります。
喫茶店とカフェの違いは呼び方だけと思われがちですが喫茶店は喫茶店営業許可、カフェは飲食店営業許可と食品衛生法で定められている許可業種に違いがあります。
食品衛生法
飲食によって起こりうる危害の発生を防止するために定められた法律で、厚生労働省と消費者庁が管轄しています。
食品や添加物などの基準・表示・検査などの原則を定めています。
飲食店を開業するときには都道府県知事の許可を受ける必要があり、都道府県で定められた施設基準と合っているかを保健所による立ち入り検査が行われます。
問題がなければ許可がおります。営業許可の種類には飲食店や喫茶店・菓子製造業・食肉製品製造業・酒類製造業などがあります。
喫茶店営業許可
「喫茶店、サロンその他の施設を設けて、酒類以外の飲み物、または茶菓を客に飲食させる営業」と食品衛生法施行令35条に定められています。
酒以外の飲み物を提供することがメインとなっていて、食事は調理をしない食べ物だけを提供することになっています。
調理しない食べ物とは仕入れたパンやクッキー・ケーキなどを皿に盛り付けただけのものですが、多くの保健所ではトーストやかき氷は調理する行為に当たらないとしているので、喫茶店で提供することができます。
飲食店営業許可
酒類を含む飲み物や調理した料理を提供することができます。
主にレストランやラーメン店・食堂・料理店・居酒屋・仕出し屋・旅館・バーなどがあります。
食品衛生責任者
喫茶店営業許可、または飲食店営業許可を申請するときは、食品衛生責任者を置く必要があります。
17歳以上で各自治体が行っている講習会を受講することで取ることができる資格です。
珈琲店とは法律上では存在しない?
喫茶店カフェの他に珈琲店と名前がついている店があります。
珈琲店はメーカーに頼らず自分で生のコーヒー豆を仕入れて自家焙煎して味を創り出し責任を持って提供するという特徴があります。
珈琲店という業種は法律上では存在はしていませんが、自家焙煎のコーヒーと調理する料理を提供する珈琲店なら飲食店営業許可、自家焙煎のコーヒーとトーストやクッキー・ケーキなど調理する必要のない料理を提供する珈琲店なら喫茶店営業許可が必要となります。珈琲店という名前には店主の思いが込められているように思います。
珈琲という漢字 さいごに
日本でもコーヒーを知ってもらうためにいろんな漢字を使ってみたけど、可否や黒炒豆では興味を示さないのは納得できますね。
蘭学者の宇田川榕庵が考案した珈琲という漢字は、コーヒーの実が玉を連ねたかみかざりに見えることからという理由というのは素敵ですね。
営業許可の違いによって提供できる飲み物や料理に制限があるので、メニューを見て入って店が喫茶店か飲食店かを見分けてみてはいかがでしょうか。
♪珈琲の品種についても知りたいと思ったあなた。こちらをご覧いただければと思います。
珈琲豆の品種は大別すると3種 銘柄別の特徴と焙煎による味の違い
珈琲のルーツについてはこちらをご覧いただければと思います。
珈琲のルーツとは 珈琲の誕生の話 珈琲の日本での歴史と珈琲文化