郵便で送るハガキや封書・小包などに切手を貼ります。
切手は現金と同様の扱いになります。
切手を貼ることで現金を直接扱わなくても郵便物などを送ることができます。
いつから切手は使われるようになったのでしょうか。
当たり前に使っているこの切手の歴史や名前の由来など気になったことを調べてみましたのでご紹介します。
切手の始まりはいつどこで?切手の名前の由来とは
イギリスの郵便は19世紀初頭まで、料金は配達する距離で決められていたため受け取る人が非常に高い金額を支払っていました。
そのため、一般市民が手軽に利用することはできませんでした。
そこでイギリス人のローランド・ヒルは、配達する距離に関係なく料金を誰でも利用できるように安くて均一にし、前払いにしました。
そして、その料金を支払ったという証拠として切手を郵便物に貼り付けるシステムを提案しました。
これが切手の始まりです。
ちなみに切手を考案したのはローランド・ヒルではなく、ジェームズ・チャルマーズであるといわれています。
切手の由来
日本の近代郵便制度の創始者で、華族の前島密が名付け親です。
日本では、お金を払って得た権利を証明する紙のことを切符手形(きりふてがた)と呼んでいました。
庶民たちは切符手形を略して切手と呼んでいて馴染み深い言葉だったことから郵便でも切手という言葉を使うようになったそうです。
ちなみにイギリスでは切手のことをラベルと呼んでいましたが、現在ではスタンプと呼んでいます。
切手の歴史
切手はイギリスでジェームズ・チャルマーズが考案し、ローランド・ヒルが切手を使った郵便制度を提案しました。
1840年5月にイギリスで切手が発行され、1843年3月にはスイスのチューリッヒ、同年8月にはブラジル、10月にはスイスのジュネーブとイギリスをお手本とした切手が発行され世界へと広まっていきました。
日本で初めて切手が発行されたのは1871年4月で、竜が向かい合い、その間に額面(単位は文)が入ったデザインであったことから竜文切手と呼ばれていました。
竜文切手は、48文・100文・200文・500文の4種類でした。
竜文切手をデザインしたのは、京都出身の銅板画家・松田敦朝(まつだあつとも)で竜文切手の他に紙幣や証券などを製作していました。
やがて、お金の単位が文から円・銭・厘に変わったことから竜のデザインはそのままで額面(単位は銭)を入れた竜銭切手が発行されました。
1883年になると、お金の単位が銭から円になった切手が発行されるようになりました。
戦前の切手には「大日本帝国郵便」という表記と菊花紋章が入っていましたが、戦後になると「日本郵便」と表記が変わりました。
そして1966年1月以降、万国郵便連合(UPU)が国名をローマ字表記にして欲しいという決定に従い、「NIPPON」と表記された切手が発行されるようになりました。
現在、日本郵便株式会社にある切手・葉書室には8人の切手デザイナーが在籍していて、毎年新しいデザインの切手が発行されています。
切手の最古のものはどこの国
最古の切手は1840年5月にイギリスで発行された1ペニーと2ペンス切手の2種類です。
これらの切手は黒のインクを使ったペニー・ブラック、青のインクを使ったペンス・ブルーという愛称で呼ばれているそうです。
図柄はジョージ3世の4男であるケント公エドワードの息女・ヴィクトリア女王陛下の横顔が描かれています。
サイズは縦23㎜×横19㎜の長方形で、裏のりがあり、偽造防止のため王冠模様の透かしが入っていました。
印刷はパーキンズ・ベイコン印刷会社の凹版印刷(おうはんいんさつ)で行われていました。
パーキンズ・ベイコン印刷会社での印刷方法は、ヤコブ・パーキンズが発明したパーキンズ法でデザインを彫刻で入れた銅版に焼き入れをして硬くしてから印刷する技術で、大量に印刷ができるという画期的なものでした。
原画はヴィクトリア女王陛下が1837年にロンドン市庁を訪問した記念として、造幣局彫刻部長であるウィリアム・ワイオンの作品が採用されました。
その作品を彫刻技術者であるチャールズ・ヒースとフレデリック・ヒース親子が鋼板(こうはん)に彫刻を入れました。
ちなみにデザインとして採用された作品を水彩画に複製したのは肖像画家のヘンリー・コーボールドに委託していました。
こうして発行された世界初の切手は1840年5月1日にロンドンで売り出され、大変な人気となり何度も増刷されました。
切手のはじまりは?切手の名前の由来と歴史 さいごに
切手はイギリスで誕生して、今では世界各国で使われています。
日本でも切手には長い歴史があり、今でも新しいデザインの切手が誕生しているので好きな切手で相手に送ってみてはいかがでしょうか。
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