雑木林を歩いている時など蜘蛛の巣に遭遇したり、家の中でも小さな蜘蛛がいたり。
でも虫嫌いだけどあまり嫌悪感をいだかない。
蜘蛛は網を張り、かかった虫を捕食する虫ですね。
昆虫と思われがちですが、体の構造に違いがあるため昆虫ではなないそうです。
蜘蛛とは、どんな生物なのでしょう。
蜘蛛の特徴や昆虫・虫との違いなどを調べてみました。
蜘蛛とはなに?蜘蛛の特徴とは
蜘蛛とは、節足動物門鋏角亜門クモガタ綱クモ目に属する生物の総称です。
古代生物カンブリア紀にいた三葉虫が先祖であるといわれていて、いくつかに派生した1つが真正蜘蛛目(しんせいくももく)となります。
蜘蛛の特徴には、
- 糸を出す
- 鋏角(きょうかく)に毒腺がある
- 小型動物を捕食する
- 人間に害のある毒をもっている種類は少ない
などがあります。
蜘蛛の構造
蜘蛛の体は頭部と胸部が一体化した頭胸部・腹部・8本の細い足で構造されています。
- 頭胸部(とうきょうぶ)
頭部と胸部が一体化していて、前部に目があります。
種類によって違いはありますが、基本的に8つの目は2列に並んでいます。
- 腹部(ふくぶ)
外骨格は柔らかく、袋状になっています。
第1節は頭胸部と繋ぐ腹柄(ふくへい)となっていて、裏面前方には書肺(しょはい)と呼ばれる呼吸器官があります。
通常書肺は1対ですが、種類によっては2対になっていることもあります。
その間に生殖腺が開いています。
後端には、糸を出すための突起と肛門があります。
- 脚(あし)
柔らかくて細かい毛が生えているので、どんな場所にもくっつくことができます。
脚を体に引きつけてから、上に高く上げてから前方に伸ばして移動します。
脚には、基節(きせつ)・腿節(たいせつ)・頸節(けいせつ)・膝節(ひざぶし)・跗節(ふせつ)・蹠節(しゃくせつ)の7つの関節があり、膝節から曲げて移動するようになっています。
- 鋏角(きょうかく)
鎌状になっていて先端が鋭くなっています。
獲物を捕まえるとき、刺して毒を注入します。
- その他
・蜘蛛は嚙みつく虫だと誤解されていますが、これは非常事態による自衛反応です。
人を噛むということは滅多になく、蜘蛛自ら噛むことはありません。
・日本では朝に見かける蜘蛛は神様の使いと呼ばれていて、縁起が良いので殺してはいけないといわれています。
西洋では蜘蛛は不気味なものとして扱われていますが、背中に十字架模様のある蜘蛛は神聖なものであることから殺してはいけないといわれています。
また、「辛抱強さ」や「女性・グレートマザー」の象徴なっています。
アイヌ文化では蜘蛛は「ヤウシケプ(網を編むもの)」と呼ばれていて、網を張って悪い魔物を捕まえる神様であるため殺す・追い払うことはしてはいけないといわれています。
蜘蛛は虫でも昆虫でもない?
蜘蛛は頭部と胸部が一体化した頭胸部・腹部・8本の足はありますが、羽根がありません。
足が6本、羽根があることで昆虫に分類されます。
そのため、蜘蛛は昆虫には分類されません。
虫は昆虫に分類されない生物を虫と呼びます。
蜘蛛は昆虫ではないので虫に含まれます。
蜘蛛と虫と昆虫の違い
昆虫とは、六脚亜門の昆虫網に分類される節足生物の総称です。昆虫の体は頭部・胸部・腹部の3つで構成されていて、6本の足と羽根があります。
蜘蛛と昆虫は、どちらも節足生物ですが体の構造と足の数・羽根の有無に違いがあります。
昆虫の体は頭部・胸部・腹部の3つに分かれていて羽根がありますが、蜘蛛は頭部と胸部が一体化した頭胸部・腹部・8本の足がありますが、羽根はありません。
昆虫の足は6本で3対になっていますが、蜘蛛の足は8本で4対になっています。
また虫は昆虫と同じ意味があるように思われていますが、虫は動物の総称として使われていました。
昔は、鳥を羽虫、獣を毛虫、カメを甲虫、ウロコのある動物を鱗虫、人間を裸虫と読んでいました。
蜘蛛と虫と昆虫の違いは、蜘蛛は一体化した頭部と胸部・腹部・8本の足があり、昆虫は体が頭部・胸部・腹部の3つに分かれていて6本の足がある、
虫は動物の総称として使われていた漢字であるたけでなく、昆虫に分類されなかった生物の総称であるという違いがあります。
蜘蛛とは? さいごに
蜘蛛には羽根がなく、脚も8本であることから昆虫ではなく虫に分類されます。
また蜘蛛は、不気味な存在として扱われていますがアイヌ文化では魔物を捕まえてくれる神様であるといわれています。
実際に害虫を食べてくれる益虫でもあるので、蜘蛛を見かけても驚かずにそっとしておいてあげましょう。